Dear Saiyans 40話・ラディッツ覚醒!

一方で、クリスは心配だった。
ラディッツのスカウターから見た、当時の凄惨な出来事が忘れられないのだ。
さらに、ピッコロはあの時よりも強くなっていると分かっていた。
だから、なおさら心配なのだ。
「クリス、もしかしてピッコロさんが怖いのかい?」
心配したジングルが、クリスに声をかけた。
「それもあるけど、ラディーは無茶することがあるから…」
確かに今のラディッツは、超サイヤ人に変身できるほどに強くなり、スカウターの数値にうろたえることなく冷静に判断することができるようになった。
しかし、ピッコロの魔貫光殺砲のトラウマを持っているのはクリスも同じだった。
「ラディー!無理をしちゃダメだよ!危ないと思ったら、すぐに逃げてね!」
クリスがラディッツに言ったが、その瞬間ラディッツはものすごい雄叫びを上げながらピッコロに飛びかかった。

二人は激しくぶつかり合い、火花が飛び散った。
「ほぅ、さすがに腕を上げたようだな。大したものだな」
ピッコロはニヤリと笑みを浮かべて言った。
「まだまだこんなもんじゃないぞ!余裕ぶっていられるのもそこまでだ!!」
ラディッツは至近距離から気功波を放った。

ーダブルサンデー!!

ピッコロはギリギリのところでかわしたが、ラディッツは土煙の中から飛び出しピッコロに体当たりをした。
「へっ、結構やるな…。孫と戦った頃を思い出すぜ」
ピッコロは笑みを浮かべて言った。
「ニヤニヤしていられるのも、これまでだ!」
ラディッツはピッコロに蹴りに食らわせると、気弾を投げつけた。

ーサタデークラッシュ!!

ピッコロは避け切れず当たった。
「ぐわははは!!もらったぁ!!」
ラディッツはフィニッシュを決めようと、ピッコロに突進した。
だがその時、ラディッツの足はピタリと止まった。
そして、先ほどの闘争心が嘘のように真っ青な表情に変わった。
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