Dear Saiyans 39話・ターレスの過去

ザマスとゴクウブラックは、表情を変えずターレスの話を黙って聞いていた。
確かに神の物に手を出してしまったことは許されることではないが、神精樹の力に溺れたわけではなく、生きる為に、そして仲間の為に使わざるを得なかったと分かっていた。
それに、今のターレスは過去の過ちをちゃんと反省している。
ザマスはターレスの背中を撫でて言った。
「…話してくれてありがとう、ターレス。確かに、人間が神の物に手を出したのは許されることではない。しかし、それは決して力欲しさにという訳ではなかったというのは分かったよ」
「最初は生きる為に、今度は仲間を守る為に力を蓄えていた…。だがそれがかえって悪い結果になっちまった…。それに神精樹の実で仲間を助けたり、重い病に苦しむ人々を助けたかった…。けど、人間の勝手な都合で神様の木を使うってのはダメだよな…」
ターレスが涙を拭きながら言うと、ゴクウブラックが言った。
「…一つだけ良い方法がありますよ」
「ブラック…!それは…」
ゴクウブラックの発言に、ザマスはなにやらあわてていた。
しかし、ゴクウブラックはザマスをなだめると、電話で誰かと連絡を取り始めた。
「…はい、ありがとうございます。ええ、失礼します」
そして電話を切ると、ゴクウブラックは緊張が解けたのかふうっと深く息を吐いていた。
「誰と話してたんだ?」
ターレスが言ったその時、インターホンが鳴り出した。
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