Dear Saiyans 39話・ターレスの過去

正午、ザマスとゴクウブラックが買い物に出かけ、ラディッツ達は悟空の家に遊びに行ったため、ターレスは留守番をしていた。
彼は台所から自分のカップラーメンを自室に持ち出し、テレビを観ながら食べていた。
やがてカップラーメンを食べ終えると、テレビを消し、今度はベッドで寝転び始めた。

幼い頃に両親を事故で亡くし、神精樹の実で飢えをしのぎ、寂しく過ごしていたところでアモンド達と出会った。
アモンド達と出会えたことはとても嬉しかった。
悪いことをたくさんしてしまったが、彼らと神精樹のおかげで生きることができた。
しかし、それでもターレスは孤独だった。
アモンド達と一緒にいたにもかかわらず孤独だった。
なぜアモンド達が側にいたのに孤独を感じていたのか…。

それは、両親を事故で失ったトラウマが原因だった。今は一緒にいるけどまたいなくなる。
アモンド達が、仲間達がいなくなるのが怖かった。
だから神精樹の力を借りて強くなるしかなかった。
仲間を守る為には全宇宙の王になるしかなかった。
その為には他の星などどうでもよかった。
それが大きな間違いだった。
結果として逆にアモンド達を失ってしまった。
自分を育ててくれたのに、感謝することも忘れ、自分勝手に振る舞ったことで大切な者を失った。
今では、ラディッツ達やクリス達に助けられ、ザマス達とも仲良くなれた。
だが、またラディッツ達まで失うのが怖い。例え、超サイヤ人になったとしても、みんなを守れるかどうかはわからない。 
だから神精樹の力を使うしかない。でも、神精樹を地球に植えるわけにはいかない。
どうしたらみんなを失わずに守れるのか。どうしたらもっと強くなれるのか…。
ターレスの目尻が熱くなり、涙が流れてきた。
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