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Dear Saiyans 39話・ターレスの過去

時は30年以上前にさかのぼる。
当時、コルド軍に支配されていたサイヤ人は、各地で星を制圧し、高値で売るという悪事を始めていた。

しかし、すべてのサイヤ人は皆そうではなかった。
中には、コルド軍への不満と疑問を抱く者や、コルド軍の支配から逃れる為に家族と共に遥か遠い星に避難する者もいた。
当時まだ幼い少年だったターレスもそうだった。
ターレスは貧しいながらも、両親に可愛がられ、愛情いっぱいに育てられた。
父親と一緒に釣りや野球を楽しんだり、母親とお菓子を作ったりと子供らしい楽しい日々を過ごしていた。

ところがある日、ターレスの両親が事故で亡くなってしまった。
まだ幼かったターレスは、両親を失った悲しみに暮れる間もなく、さらに嵐で家が壊されてしまい、思い出も住む家も失ってしまった。
ある時、ターレスは食べ物を探しに父親がいつも使っていた宇宙ポッドに乗って宇宙に飛び出したものの、星を見つけることもなく、ひたすら宇宙をさまよっていた。
その時ポッドが壊れてしまい、ある星に不時着した。
その星は、色とりどりの花が咲き乱れ、夜空がとってもきれいだった。
そして花畑の真ん中には、見たこともない大きな木が立っていた。神精樹だった。
神精樹には、星のような形をした実が生っていた。
ターレスはとてもお腹が空いていたため、神精樹の実を一つ採って食べてしまった。
神精樹の実は思った以上に美味しかった。
リンゴのように甘く、イチゴのようにみずみずしかった。
そして、飲み込んだと同時に体の奥から力が湧き、たちまち元気になった。
ターレスはその日以降、神精樹の側で暮らすことにした。
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