Dear Saiyans 39話・ターレスの過去

あれから2か月後、ターレスは薬剤師の資格を取り、地球の神精樹の実を使った漢方薬や栄養ドリンクを作った。
本物の神精樹と違って、力が発揮されることはないうえ、仙豆よりケガの回復力は劣っているものの、地球の神精樹の実のおかげで長引いてしまった風邪が治ったり、重い病が治ったりと、人々に希望を与える存在となった。

「ターレス、やるじゃないか!まさか神精樹がみんなの命を救うだなんてよ」
ナッパが言った。
「オレもそのドリンクを飲んでみたんだが、魔貫光殺砲の傷の痛みが和らいだぜ」
ラディッツが言った。
「へへへ。でも、ザマスとゴクウブラック、ビルス様とウイスさんのおかげさ。オレもクリスと同じで、大切な仲間を失うのが何より怖かったんだ。でも、その度を超すのはかえってむしろ悪い結果を生んでしまう。まさにその通りだった…」
ターレスはパンケーキを食べながら言った。
「ターレスさん、今までずっと悩んでいたんだね…。気づいてあげられなくて、ごめんなさい…」
クリスは悲しかった。
「いやいや、クリスは何も悪くないさ。オレのほうこそ、ずっと黙っててごめんな」
ターレスはクリスを抱きしめて言った。
「わっ!ターレスさん、苦しいよ」
クリスはターレスに抱きしめられてジタバタした。
ラディッツは思わずターレスを怒鳴った。
「貴様!そんなに抱きしめんじゃねぇ!!クリスが苦しがっているだろう!!」
「ひゃあ!?わ、悪い…」
ターレスを怒鳴るラディッツを見たナッパが、ニヤニヤ笑いながらからかった。
「お?ラディッツ、まさかクリスのことが好きなんじゃないか?」
「え!?ラ、ラディー!?」
「…!!?何言ってやがんだ!!クリスはまだ子供で男の子だぞ!!変なこと言うんじゃねぇ!!」
ラディッツは顔を真っ赤にしながら、ナッパをバシバシ叩いた。
「じょ、冗談だって!アイタタタ!やめろぉ!誰か助けてくれー!!」
みんなは大笑いした。





続く
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