ゴクウブラックは不思議そうな顔でカレーライスを見ていた。
「こいつはカレーライスっていうんだ。めちゃくちゃ旨いぜ」
ターレスが言った。
「甘口のカレーや辛いカレーがあるんですよ。ちなみにこれは中辛です」
未来の悟飯が言った。
「ほら、冷めないうちにお食べ。おかわりもたくさんあるからね」
ギネが言った。
「…仕方ない、いただきます…」
ゴクウブラックはスプーンを手に取ると、渋々カレーを少しすくった。
そしてふうっと息を吹きかけてカレーを少し冷ましてから、ゆっくりと口に運んだ。
「…！美味しい…。少し辛いが、とっても美味だ」
ゴクウブラックは、初めてのカレーライスに感動し、ぱくぱくと食べた。
そしてその後、5杯もおかわりした。
「ふぅ…、とっても美味しかった…。人間が、サイヤ人がこんなに美味しいものを作るなんて…」
満腹になったゴクウブラックは、心も満たされ、温かい気持ちになった。
「だろ？人間ってのは悪い連中ばかりじゃねぇんだぜ。って、昔、悪いことしたオレらが言えることじゃねぇな」
ナッパが言うとみんなは大笑いした。
ゴクウブラックもつられて思わずクスクス笑った。
「ブラックさん、もしよかったらなんでも言ってちょうだい。相談相手になるからね」
ギネはゴクウブラックに言うと、ゴクウブラックは首を横に振って断った。
「…いいえ、悩みなんてありませんよ」
「…いや、ありそうな顔をしてるよ。私の目は誤魔化さないんだからね」
「え…？」
ギネは見逃さなかった。ゴクウブラックの目は、人間への嫌悪や憎しみには満ちてはおらず、逆に悲しみに満ちた険しい目をしていたことを。ザマスも同じだった。
みんなも、ザマスとゴクウブラックが人間0計画を実行しようとしたぐらい、人間に強い嫌悪感を抱いていた理由が気になっていた。
ゴクウブラックは深いため息をついて言った。
「…仕方ありません。では、お話します…」