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Dear Saiyans 37話・見習い界王神の心の闇

一方、クリスはザマスを探しに出かけていた。
秋の終わり頃なだけあって、冷たい風が吹きすさんでいてとても寒い夜だった。
今のザマスはゴクウブラックと同様に神の力を失っているため、このままでは凍えてしまう。
「どこに行っちゃったんだろう?このままじゃ、ザマスさんが風邪をひいちゃうよ!」
クリスはあわててザマスを探した。


数十分後、やっとザマスを見つけた。
彼は家から少し離れた丘の上で、ぼんやりと山々を眺めていた。
ザマスは人間0計画を達成できなかったこと、全王に神の力を奪われたことが悔しかった。
さらに人間に、大嫌いなサイヤ人に引き取られたことが、なにより屈辱的だった。
「…私の夢は、儚くも潰えてしまった…」
ザマスはポツリと本音を呟いた。

そこへクリスがやって来た。クリスはザマスをびっくりさせないように、刺激しないようにそっと歩み寄ると、ザマスはクリスの気配に気付き、パッとこちらを振り返った。
クリスはビクッと大きく体が震えた。
「何しに来た?サイヤ人の巣には帰らぬぞ」
ザマスは鋭い目でクリスを睨みながら言った。
その時、ザマスのお腹が大きく鳴り出した。
「ザマスさん、こんなところにいたら風邪ひいちゃうよ」
クリスはザマスの手を引こうとしたが、ザマスはクリスの手を振り払った。
「黙れ!私は人間が大嫌いだ!まして野蛮なサイヤ人など!」
ザマスはゴクウブラックと違って頑固だった。
人間と暮らすぐらいなら、全王に消されるか、飢え死にしたほうがましだと強く反発した。
すると、クリスが意外なことを言い出した。
「…ごめんなさい」
「何!?」
なんとクリスがザマスに謝り始めたのだ。
「…どういうつもりだ?なぜ私に謝る?」
ザマスは訳が分からなかった。
クリスは続けた。
「…ぼく、ギネさんから聞いたんだ。ザマスさんとブラックさんが、人間のことを嫌いになった理由が…」
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