Dear Saiyans 36話・人間0計画

なんと、突然変身が解けて悟空とベジータに戻ってしまった。
実はポタラは、神同士が合体すると元には戻れないものの、人間が合体した場合は時間が経つと元に戻るという性質があるのだ。
さらに、ベジットが超サイヤ人ブルーになったことでエネルギー消費が激しくなり、変身時間が大幅に短くなったのである。
しかし、ベジットから受けたダメージによって、ザマスは弱り始めた。
「ぐぅ!我をここまで追いつめるとは…!神に逆らう人間風情が、調子に乗るな!」
ザマスはそう言うと、空に向かって手を上げた。
そしてこう叫んだ。
「正義の光よ、我を射て!悪を滅せぬ弱き神は不要なり!」
その瞬間、ザマスの体はどす黒い光に包まれた。

すると、ザマスは体が半分崩壊した恐ろしい姿になった。
「な、なんだ!?あの姿は!」
悟空とベジータはびっくりした。
「ふははは!!人間どもよ、覚悟するがいい!!」
ザマスは見境なく暴れ始めた。
しかし、バーダックはザマスに立ち向かった。
「いい加減にしやがれ!!この若造が!!」
なんと、バーダックの一撃がザマスにダメージを与えたのだ。
「バーダックさんの攻撃が、効いた!?」
トランクスはびっくりした。
バーダックはザマスに言った。
「お前、不死身だとか言ったよな。なぜダメージを受けたかわかってるのか?」
ザマスはバーダックを睨んでいたが、バーダックは続けた。
「お前はポタラでゴクウブラックと合体した。だから今のお前は、人間だったゴクウブラックの体を取り込んだことで不死身ではなくなったんだ。そんな身を壊すようなことを、なぜやったんだ?」
するとザマスはニヤリと笑って言った。
「…人間とは、神々が犯した失敗の象徴!だから我は、神々の失敗と罪をこの身に受け入れた!そして、その失敗を二度と犯さぬように、全世界から悪の根源となる人間どもを消し去り、美しい世界を創生するのだ!!」
「…何言ってやがんだ、この野郎!!」
バーダックはザマスを殴った。
ザマスは大きく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「…おのれ人間め!!我を殴るとは!!!」
ザマスは怒鳴った。だがよく見ると、ザマスの目は潤んでいた。
「…ザマスさん、泣いてるの?」
クリスはザマスを心配した。
しかしザマスはクリスの手を振り払って叫んだ。
「うるさい!我は泣いてなどおらん!!この涙は、穢れきった世界を洗い流す為のものだ!!」
「…ぼくにはそう思えないよ!ぼく、ビルス様から聞いたんだよ!本当はザマスさんは、とっても優しい神様だって!だから、もうこんなことやめて!ひとりぼっちの世界をずっと生きるなんて、もっと辛くなるよ!」
「黙れ!!!神に説教するな!!!!」
ザマスはクリスを投げ飛ばした。
「どうして…。どうしてなの、ザマスさん!」
クリスは赤くなった右頬を押さえながら泣き出した。
「もうダメだ、クリス。やつは完全に理性を失っている。一旦ここを離れるぞ」
バーダックはクリスを抱き抱えて言った。
だがザマスが襲いかかってきた。
「逃がさんぞ、人間!!我が聖なる逆鱗を食らうがいい!!」
ザマスは大きな太陽を投げつけようとした、その時だった。
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