Dear Saiyans 36話・人間0計画

そんなクリスに、ザマスは腕組みしながら言った。
「お前は兄とは違うことはよく分かった。その者達を心から愛し、慕っているということを…。だが、それもここまでだ。人間0計画を達成すれば、この世界は人間から解放され、美しく穢れのない世界となるのだ」
それを聞いたクリスは怒った。
「そんなことしたら、この世界から誰もいなくなっちゃうんだよ?ザマスさんとブラックさんに大切な人とか、好きな動物とかいないの?」
「黙れ!このガキが!!」
ザマスはクリスを殴った。
そして、クリスの首もとを掴んで言った。
「お前に、私の苦しみなど分かるか!私は見てきたんだ!我々神が創った自然を、人間どもは片っ端から破壊し、そして自分の欲や権力の為に同族同士で命を奪い合う…!だから私は耐えられなくなったんだ!人間など、生み出したのが間違いだったんだ!!」
その時、トランクスがザマスに飛びかかった。
「何が人間0計画だ!罪のない人を巻き込むなんて、ただの人殺しだ!」
「…時を欺く者の分際で調子に乗るな!!」
ザマスはトランクスと取っ組み合いになった。
「大丈夫か!クリス!」
ラディッツはクリスに駆け寄った。
「ラディー、ダメだったよ…」
クリスは涙が止まらなくなった。
「クリス、ダメだろ!なぜあんな危ないことをしやがったんだ!」
バーダックはクリスを叱った。
「ご、ごめんなさい…。でもザマスさん達、悪い人に見えなかったから…」
クリスは涙を拭いて言った。
「気持ちは分かるが、とても説得できる相手じゃねぇんだ。さぁ、危ないから下がってるんだ」
バーダックが言った、その時だった。
「サイヤ人よ、良いものを見せてやろう…」
ゴクウブラックはニヤリと笑うと、大きく叫んだ。
そして、眩い光に包まれたかと思うと、誰も見たこともない超サイヤ人となった。
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