やっとの思いで帰ったバーダックは、その一部始終をラディッツ達に伝えた。
「なんだって！？黒いカカロット！？」
ターレスはびっくりした。
「まさか、カカロットの偽者が現れたというのか！！」
ナッパも驚きを隠せなかった。
「まさか、ドッペル・ゲンガーじゃないか？」
スーノは震えながら言った。
「なんだ？ドッペル…なんとかって？」
ラディッツが言った。

ードッペル・ゲンガーとは、怪談や迷信などで語られている怪異で、自分もしくはその人物と同じ姿をしたお化けのことである。
さらにドッペル・ゲンガーの姿を本人が見ると不幸になる、または死亡すると言われるなど、不吉な怪異である。
みんなはその話を聞いて血の気が引いた。
「そ、それじゃあ…。トランクスさんは、カカロットさんにそっくりなお化けに襲われてたってこと！？」
クリスは震えながら言った。
「ち、地球にそんなおっかねえ奴がいたんだ…」
ナッパが言った。
「しかも自分のドッペル・ゲンガーを見たら死んじゃうって…、悟空さんが危ないわ！」
トナカが言った。
すると、バーダックが立ち上がって言った。
「…そうはさせねぇ。カカロットがせっかくこの世に戻って、世界を救ったんだ。だから今度は、オレがカカロットを守る！」
「な！？しょ、正気か、バーダック！相手は命を吸い取ってくるかもしれねぇんだぞ？」
ターレスが言った。
「そうよ！やたらに戦うのは危険すぎるわ！」
ギネはバーダックをひき止めた。
すると、ラディッツが言った。
「親父、オレも手伝うぞ！」
ところがクリスは反対した。
「ダメだよ、ラディー！相手はフリーザより強いみたいだし、それに魔貫光殺砲の古傷で、とてもじゃないけど戦うなんて無茶だよ」
「心配するな、クリス。痛み止めさえ飲んでおけば平気だ」
ラディッツはクリスの頭を撫でて言った。
その時、インターホンが鳴った。
「チッ、こんな時に…」
バーダックは怒りながら玄関に向かった。