ウイスが帰った後、ラディッツ達は悟空が全王と仲良くなったことをまだ驚いていた。
「カカロットの奴、そこまで好奇心が旺盛な奴だったとは…」
ラディッツが言った。
「い、いや…。好奇心というか…、なんていうか…」
未来の悟飯も、なんて言ったら良いのか分からなくなっていた。
「…まぁ、何にしてもすごかったよな。やはり宇宙は広いな！」
ナッパが言った。
「そうだね。もしできたら、その人達に会ってみたいな」
クリスが言った。
「ぼくも思ったよ。あぁ、想像しただけでわくわくしちゃった」
ジングルが言った。



数日後、バーダックの元にカプセルコーポレーションから電話がかかってきた。
またもや何やらあわただしい様子だった。
バーダックは急いでカプセルコーポレーションに向かった。

見るとそこには、かつて人造人間と戦ったあのトランクスがいた。
ところが感動の再会もつかの間、トランクスの前に信じられない人物が姿を現した。
なんと、黒い道着を着た悟空がいたのだ。
よく見ると黒い悟空は、あの悟空のような愛らしい顔つきでも、ターレスのようなキリッと顔つきでもない、常に薄ら笑いを浮かべた不気味な表情をしていた。
「…ごきげんよう。孫悟空…」
黒い悟空はトランクスを睨んだ後に、悟空を見てまたニヤリと笑った。
「…な、なんなんだ、あいつは…！カカロットにそっくりだ…」
さすがのバーダックも怖くなってしまった。
悟空も同じだった。
悟空は黒い悟空と戦ってみたが、黒い悟空のほうが一枚上手だった。
それでも悟空はなんとか重い一撃をおみまいし、やっと黒い悟空にわずかながらダメージを与えることができた。
ところが、ダメージを受けたはずの黒い悟空は笑っていた。
その顔は、何か喜んでいるような嬉しそうな不気味な笑みだった。
「…素晴らしい…。この痛みが、私をさらに強くする…」
悟空とバーダックの背筋が凍った。
と、その時。黒い悟空が突然空に浮かんだ穴に吸い込まれて、どこかへと去って行った。
「…なんだったんだ、あいつは…」
バーダックは冷や汗を流しながらへたり込んでしまった。