Dear Saiyans 1話・サイヤ人とフリーザの狭間
クリスの献身的なケアのおかげで、ラディッツは元気を取り戻した。
「本当にご迷惑をおかけして、申し訳ございません…」
ラディッツは震えていた。フリーザの弟に気を使わせるなんて…。
しかし、クリスは怖がるラディッツの手を優しく握って言った。
「そんな謝らないで。もし困った事があったらなんでも言って。ぼくがいつでも相談相手になってあげるから」
ラディッツは驚いた。フリーザの弟がここまでして人を想うなんて。サイヤ人という理由で周りから罵られ虐げられている中で、彼だけは自分達三人を想っている。
「な、なぜ、こんなオレを…?」
ラディッツは恐る恐る問いただしてみた。
「……実はぼく、ラディッツさんを見て思ったんだ。もしかしたら、陰でいじめられているんじゃないかって」
クリスにはわかっていた。ラディッツの顔色が、ベジータとナッパの二人と比べて悪かった事に。だからラディッツの事が心配だったのだが、なかなか声をかけられなかったのだ。
「……はい、この間はベジータ達に『弱虫ラディッツ』と怒鳴られ、ザーボン様とドドリア様に足を引っかけられて転びました」
「……ひどい、そんなのあんまりだよ…」
クリスは涙目になった。
「ねぇ、もうフリーザ軍から逃げたほうが良いよ。このままじゃ君の身がもたないよ」
クリスはラディッツを説得しようとしたが、ラディッツは首を横に振って言った。
「いいえ、オレはもうこういった事には慣れていますので、平気です」
「そんな…」
するとラディッツの腰に差していたトランシーバーが鳴り出した。
「おっと、ベジータからの着信だ。クリス様、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。ありがとうございました。失礼します」
そう言うと、ラディッツは部屋をあとにした。
「…ラディッツさん……」
クリスはラディッツがかわいそうで、その日の夜はなかなか眠れなかった。
続く
「本当にご迷惑をおかけして、申し訳ございません…」
ラディッツは震えていた。フリーザの弟に気を使わせるなんて…。
しかし、クリスは怖がるラディッツの手を優しく握って言った。
「そんな謝らないで。もし困った事があったらなんでも言って。ぼくがいつでも相談相手になってあげるから」
ラディッツは驚いた。フリーザの弟がここまでして人を想うなんて。サイヤ人という理由で周りから罵られ虐げられている中で、彼だけは自分達三人を想っている。
「な、なぜ、こんなオレを…?」
ラディッツは恐る恐る問いただしてみた。
「……実はぼく、ラディッツさんを見て思ったんだ。もしかしたら、陰でいじめられているんじゃないかって」
クリスにはわかっていた。ラディッツの顔色が、ベジータとナッパの二人と比べて悪かった事に。だからラディッツの事が心配だったのだが、なかなか声をかけられなかったのだ。
「……はい、この間はベジータ達に『弱虫ラディッツ』と怒鳴られ、ザーボン様とドドリア様に足を引っかけられて転びました」
「……ひどい、そんなのあんまりだよ…」
クリスは涙目になった。
「ねぇ、もうフリーザ軍から逃げたほうが良いよ。このままじゃ君の身がもたないよ」
クリスはラディッツを説得しようとしたが、ラディッツは首を横に振って言った。
「いいえ、オレはもうこういった事には慣れていますので、平気です」
「そんな…」
するとラディッツの腰に差していたトランシーバーが鳴り出した。
「おっと、ベジータからの着信だ。クリス様、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。ありがとうございました。失礼します」
そう言うと、ラディッツは部屋をあとにした。
「…ラディッツさん……」
クリスはラディッツがかわいそうで、その日の夜はなかなか眠れなかった。
続く
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