Dear Saiyans 34話・心の傷

翌朝、クリスは目を覚ました。
彼はラディッツが傍にいてくれたおかげもあってか、悪夢にうなされることなくぐっすり眠れた。
「ん、んんっ…。おはよう、ラディー…」
クリスは目をこすりながら言った。
「ふぁ~…。おはよう、クリス」
ラディッツは大きなあくびをしながら言った。
「…ラディー、ごめんね…。心配かけちゃって…」
クリスはラディッツに謝ると、ラディッツは笑った。
「いいってことよ。言っただろ?今度はオレ達がお前を守るって。それに、みんな一緒なら何も怖いものはないぞ」
「ラディー、ありがとう」
クリスはまた泣いてしまった。
「ははははは!お前相変わらず泣き虫だな」
ラディッツは笑いながらクリスを抱きしめた。




そして、朝食を終えたラディッツ達は、悟空達やベジータ達と一緒に西の都の近くの海沿いに遊びに行くことにした。
クリスはすっかり元気になり、いつものかわいらしい笑顔が戻っていた。
フリーザ軍に荒らされた地形はすっかり元通りになり、活気を取り戻していた。
ベル達は浜辺でビーチバレーを楽しみ、悟空達やベジータ達、そしてラディッツ達サイヤ人はひたすら走り回ったりと大はしゃぎだった。
「ふ、これじゃあまるで子どもじゃねぇか…」
バーダックはクスッと笑いながら、クリームソーダを一口飲んだ。
「まぁいいじゃない。クリスも元気になったことだし、ラディッツ達にとっては久しぶりの休暇だもの」
ギネが言った。
その時、走り回っていたラディッツと悟空がずっこけた。
「ラディー!大丈夫!?」
「父さん!大丈夫ですか!?」
クリスと未来の悟飯達が慌てると、ラディッツはパッと立ち上がった。
「やい!カカロット!ちゃんと前を見て走らんか!!」
「おめぇが突っ込んで来ただろ!」
「キサマぁ!兄に向かって!!許せん!!」
「ちょ、まっ…!!クリスー!ラディッツをなんとかして、いてててて!!」
ラディッツと悟空のじゃれあいに、みんなは大爆笑した。




続く
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