Dear Saiyans 34話・心の傷

かつてフリーザ軍だった頃は、ベジータやナッパから『弱虫ラディッツ』と呼ばれるほど臆病だったラディッツだったが、今のラディッツはサイヤ人達のリーダーというだけあって、かなり迫力があった。
だからさすがのナッパも、ラディッツの怒号に圧倒されてしまっていた。
「だから、ただで強かったフリーザがさらにパワーアップして帰ってきたんだぞ?名門出のエリート戦士だったオレだって、とても手におえる相手じゃなかったんだぞ。いくらお前が超サイヤ人になれたとはいえ…」
「ああ!?フリーザが強くなって甦ったからってなんだ!!みんなでかかれば勝てたのかもしれなかったんだぞ?地球も壊れかけずに済んだのかもしれなかったんだぞ?」
ラディッツは興奮して何も耳に入らなかった。
「いやだから…、仮にみんなで攻撃しても、パワーアップしたフリーザにかなう訳がないだろ!それとも、みんなまとめて反撃を食らって全滅しろとでも言うのか?そしたらクリスは…」
「じゃあなんだ!?そのまま連れ去られるところを、指を咥えて見てろとでも言うのか!?クリスをそのまま見殺しにしてよかったとでも言うのか!?なぁ!!」
「だから、そんなこと言ってねえだろ!!」
「うるせぇ!!コラァ!!!」
とうとうラディッツとナッパはケンカを始めてしまった。
「落ち着け!二人とも!そんなに暴れたら家が壊れるぞ!」
「伯父上!ナッパさん!落ち着いてください!」
「二人とも、やめてください!そんなケンカしたら、クリスが自分を責めてしまうから!」
ターレスと未来の悟飯、トランクスがあわてて二人をなだめた。
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