Dear Saiyans 33話・今度はオレがお前を助ける

笑い疲れたザーボンとドドリアは落ち着きを取り戻すと、クリスに言った。
「さて、おしゃべりはここまでだ。フリーザ様がお待ちだからな」
「え?」
クリスは一気に青ざめた。
「そういう訳だ、クリスよ。さあ一緒に来い!」
ドドリアはクリスを乱暴に掴んだ。
「いやだ!やめて!!」
クリスは泣き叫んだ。
「やめろ!その子はまだ子どもだ!」
男はザーボンとドドリアを怒鳴った。
「裏切り者は黙ってろ!」
ドドリアは男を殴った。
そして、ザーボンは男に言った。
「安心しろ、すぐにあの世で会わせてやる。それまで待ってろ」
「おじさん!」
クリスは言葉を発する間もなく、ザーボンとドドリアに連れて行かれてしまった。



そしてクリスはフリーザの前に差し出された。
フリーザは腕を組みながらクリスに言った。
「あなたはクウラ兄さんと違うと思ってかわいがってやったのに、本当にガッカリしましたよ。猿どもの為に軽はずみなことをして、これには父上も母上も烈火の如くお怒りですよ」
フリーザの後ろには、なんと父・コルド大王と、母・イアス王妃が立っていた。
「クリスよ、お前がこんなに腑抜けた奴だとは期待外れだ!!」
「お前のせいでフリーザがひどい目に逢い、クウラが死んだ!だからお前を生かしてはおけないわ!!」
コルドとイアスは鬼の形相でクリスを睨んだ。
クリスは震えながらも、フリーザ達に言った。
「…お、お父さん達の考えは間違ってるよ!力で人を支配して、罪のない人達を手にかけるなんて、そんなの間違ってる!!力の強い人は弱い人を守らなければならないんだよ!」
それがかえってコルドを怒らせた。
「愚か者が!!我が一族は常に宇宙の頂点に立たねばならん!!その為には力でねじ伏せなければならんのだ!力が物を言うのだ!!」
「そんなことしたって、お父さん達も幸せなんかになれない!!宇宙の頂点になんか絶対に立てないから!!」
クリスは力の限り怒鳴った。
それを聞いてコルドとイアスは怒り狂った。
「聞き訳のない奴め…!絶対に許さん!」
「こんな裏切り者など、もはや私の子どもではありません!フリーザ、この愚か者を処刑しておやり!!」
「はい…、分かりましたよ、父上、母上…」
フリーザはクリスを台に寝かすと、逃げられないように縛った。
そして目の前には、なんと電動ノコギリが牙をむいていた。
クリスは泣きながら冷や汗を流した。
その様子を見たフリーザは、こんなことを言い出した。
「あの愚かな叔父上を処刑した時を思い出しますね。本当にそっくりですよ…」
その時、電動ノコギリが唸りをあげると、クリスに迫ってきた。
「い、いやだぁ!!いやあぁぁぁーーーー!!!」
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