Dear Saiyans 33話・今度はオレがお前を助ける

時を同じくして、ラディッツは猛スピードでフリーザの宇宙船を目指した。
彼は痛み止めの薬を飲んで、古傷による痛みを軽減させて、クリスを助けに向かった。
「待ってろ、クリス!今度はオレがお前を助けてやる!!」


ラディッツは幼い頃、とてもサイヤ人とは思えないほど優しく、生き物と戯れるのが大好きだった故に、周りからバカにされ、親友だったベジータに頼っていた。
当時のベジータもまた、王子なだけあってプライドが高く気むずかしかったが、ラディッツをまるで弟のようにかわいがっていた。
しかし、フリーザによって故郷や家族を奪われ、帰る場所をなくしたことで悪の道を歩むしかなかった。
さらにフリーザ達からいじめられ、怖くなったベジータ達に『弱虫ラディッツ』とまで呼ばれ、生き地獄を味わう羽目になった。
そんな時に出逢ったのが、フリーザの弟・クリスだった。
クリスはサイヤ人を、怖いとも野蛮だとも一切思わず、ベジータ達を元の優しいサイヤ人に戻そうと奮闘していた。
そして、地球で弟・カカロットこと、孫悟空やピッコロとの戦いに敗れ、あの世の地獄をさまよっていた時に、クリスが奇跡を起こしたことによって、この世に帰って来ることができた。
そして、クリスの手によって、身体中に埋まっていたチップが取り出され、自由と優しい心を取り戻すことができた。

ー今地球で幸せな生活を送れたのも、クリスが助けてくれたおかげだ。
だから今度は、オレがクリスを助ける!

ラディッツはそう思い、クリスが捕らえられているフリーザの宇宙船を目指した。
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