Dear Saiyans 32話・蘇った恐怖

その時、上空から何かが目の前に落ちて来た。
ラディッツとクリスがびっくりしていると、砂煙からある人物が姿を現した。

なんと、フリーザだった。
「…お久しぶりですね。ラディッツ、そしてクリス」
フリーザは不気味な笑みを浮かべていた。
「フリーザ兄さん!?何しに来たの?」
クリスはラディッツを守ろうと前に立った。
「ほほほ、サイヤ人が大好きなのは相変わらずですね。それも、よりによってこんな弱虫ラディッツを…」
フリーザの言葉に、クリスは怒り出した。
「ラディーは弱虫じゃない!!ラディーは優しくて勇敢で、とってもかわいい人だよ!!」
「ラディッツがかわいい?あはははは!何を言い出すかと思ったら…あはははははは!」
フリーザは腹を抱えて大笑いした。
「いい加減にして!!フリーザ!!!」
クリスはさらに怒った。

フリーザはやっと笑い終わると、クリスに言った。
「やはりあなたは、あの愚かな叔父上にそっくりですね…。全く勘に触りますよ…」
「…よく言われるけど、それがどうしたの?」
クリスはフリーザを睨んだ。
その時、フリーザが突然ラディッツを攻撃した。
ラディッツは大きく飛ばされ、地面に叩き付けられた。
そのせいで古傷の激痛が彼を襲った。
すると今度は、フリーザが隠れていた軍隊に命令した。
「そのサイヤ人を捕らえなさい!」
なんとラディッツを捕まえようとしたのだ。
「逃げて!ラディー!」
クリスはラディッツに言った。
ラディッツは胸を押さえながら走り出した。
だが、フリーザ軍兵はラディッツを追いかけた。
「やめて!ラディーに手を出さないで!」
クリスはラディッツを守ろうと、フリーザ軍兵の前に立ちふさがった。
そしてフリーザ軍兵と戦い、なんとか追い払った。
ところが、クリスはフリーザに取り押さえられてしまった。
クリスは必死に抵抗したが、完全に力負けしてしまった。
だがそうこうしてる間に、ラディッツは辛くも逃げ切ることができた。
「やれやれ、ラディッツを逃がしてしまうとはね…」
フリーザはムッとして言った。
「追いかけますか、フリーザ様」
兵士が言うと、フリーザは首を横に振って言った。
「いいえ、そのままにしておきましょう。あいつは所詮下級戦士、どうあがいても孫悟空ほどの力は出せないですからね…。それに…」
フリーザは今度は、クリスを乱暴に掴んで言った。
「孫悟空に復讐する前に、大事な仕事ができたんです。この裏切り者を処刑するという仕事がね…」
そう言うと、クリスを強力な縄で縛った。
その縄は、ラディッツにチップを埋める時に使った拘束具と同じ素材でできている為、気を解放することができない。
しかし、クリスは泣くのを我慢してフリーザを睨んだ。
「お前の計画なんか成功しないぞ!今にカカロットさん達やラディー達が助けに来てくれるもん!」
「ほほほ、無駄ですよ。その前にお前は死んでいますからね…」
「うるさい!お前なんか怖くない!怖くなんか…、う、うぅ…」
クリスはこらえきれず、とうとう泣き出してしまった。
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