Dear Saiyans 32話・蘇った恐怖

すると、バーダックのトランシーバーが鳴った。
ナッパ達がフリーザ軍を倒したという連絡だった。
軍隊こそは多かったものの、フリーザがいなかったのが幸いだったのだ。
「なんだ、てっきりフリーザもいたのかと思ったぜ…」
バーダックは安心した。
「やはり超エリートとはいえ、さすがにフリーザが相手ならなぁ…」
実はジャコはかなりのビビりで、フリーザのように強い者には弱いのだ。
「あんた、超エリートなのにフリーザが怖いのか」
ラディッツは笑いながらジャコをからかった。
「何を!超エリートをからかうと本当に逮捕するぞ!」
ジャコは顔を真っ赤にしながら言った。
「じゃあやってみろ」
ラディッツはニヤニヤ笑って構える素振りをした。
「このぉ~!これでも食らえ!」
ジャコはラディッツの脇腹をくすぐった。
ラディッツはあまりのくすぐったさにゲラゲラと笑った。
実はラディッツは、尻尾だけでなく脇腹をくすぐられるのは苦手なのだ。
「ジャコさん!ラディーをいじめないでぇ~!」
クリスまでもが加わり、大騒ぎになった。
まるで3人の子供達がじゃれているような姿に、バーダックはやれやれと言いながらコーヒーを飲んだ。


数時間後、ナッパ達が帰って来た。
フリーザ軍との戦いでボロボロになっていたものの、フリーザ軍を追い返せてホッとしていた。
「大丈夫?みんな」
クリスはみんなを心配したが、ナッパは汗を拭って言った。
「ああ、大丈夫さ。軍自体はめちゃくちゃ多かったが、大したことはなかったぜ」
「フリーザもいなかったし、なんとかなったぜ」
ターレスが言った。
そんなナッパとターレスに、バーダックはピシャリと言った。
「安心するのはまだ早い!フリーザがいつ来るかわからないんだぞ!油断するんじゃねぇ!」
「あ、わ、わかった…」
「いけねぇ、いけねぇ。油断してたぜ…」
ナッパとターレスはハッとした。
「さすがサイヤ人の最高司令官。頼もしいな」
ジャコはバーダックに感心した。
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