映像には、停電で真っ暗な倉庫が映っていた。
カプセルコーポレーションの中とはいえ、やはり真っ暗な空間はとても怖い雰囲気に包まれていた。
すると、暗闇の中で何かがうごめいたのが見えた。
よく見ると、地球人に似ているが、それにしては少し悪そうな人物だった。
さらに用心深く見てみると、見覚えのある戦闘服を着ていた。
それを見たバーダックはハッとした。
「こいつらは、フリーザ軍の奴らだ！」
「ええ！？」
なんと、ドラゴンボールを盗んだのはフリーザ軍の兵士だったのだ。
「でも一体、どうしてドラゴンボールを？」
ブルマが言うと、バーダックははっきりと言った。
「おそらく、フリーザの野郎を生き返らせるつもりだ！」
バーダックはすぐにラディッツ達とクリス達を呼び寄せ、緊急会議を開こうとした。
ところが、連絡をしようとしたバーダックだったが、突然手を止めてしまった。
カプセルコーポレーションの近くに止まっていたのは、銀河パトロールの宇宙船だった。
そしてそこにいたのは、銀河パトロールの超エリート・ジャコだった。

銀河パトロールとは、名前の通り宇宙の安全を守り、宇宙の犯罪を取り締まる警察官のことである。
ジャコはこれまでに、フリーザ軍兵をはじめ、多くの悪人を取り押さえたトップクラスの実力者である。
無論、当時はフリーザ軍だったラディッツやナッパ、そして宇宙を暴れまわったターレスを指名手配しているにちがいない。

バーダックは、ラディッツ達が見つかったら逮捕されるのではと心配になり、動けないでいた。
「くそ…、銀河パトロールまで来ちまうとはな…」
その時、非常事態を知らせる警報が鳴った。