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Dear Saiyans 31話・隠された魂

その頃、悟空達の戦いはヒートアップし、大気圏にまで突入していた。
大気が激しく揺れ、轟音がとどろいていた。
そんな中で、クリスはウィスにラディッツのことを話した。
当時、ラディッツが着けていたスカウターから見た悟空とピッコロとの戦いのこと、本当は決して戻ることのなかったラディッツの命が戻ってきたこと、そして、ラディッツの体の中のチップを取り、ピッコロの魔貫光殺砲の傷を治す手術をし、心を閉ざして眠りについてしまったラディッツを慰めたことを、涙声になりながら全て話した。
「…あの時、ラディーは生きることを諦めていたみたいだったんだ。だけど、ラディーに生きていて欲しい、地獄で苦しんで欲しくないと思って、ぼくはラディーの側にいたんだ。それに、ベジータさんやナッパさんにも、地球で幸せになって欲しいと願っていた…」
ウィスはクリスの話を黙って聞いていた。

そしてクリスの話が終わると、ウィスは静かに頷いた。
「…やはり、あなたはフリーザ達と違って、まるで水晶のように透き通った心をお持ちのようですね。まるでニッセさんのようですよ」
「…ぼくの叔父さんに…?」
「ええ、彼はあなたのお父上の弟様でしたが、彼もまたサイヤ人のことを想っていた心優しいお方でした。当時はとっても悪かったサイヤ人の心を動かしたほどでしたよ。クリスさんの話を聞いてたら、ニッセさんのことを思い出しましたよ」
ウィスはクスクス笑っているものの、その目はどこか寂しかった。
そして、クリスに言った。
「クリスさんの気持ち、しっかりと受け取りました。その優しい心を忘れないでくださいね。たくさんお話を聞かせてくれて、ありがとうございました」
「ううん、ぼくもたくさん話せてよかった…」
クリスは涙を拭いて言った。
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