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Dear Saiyans 29話・心をひとつに

その時、魔人ブウが突然大きなエネルギー弾を地面めがけて飛ばした。
悟空は間一髪のところで跳ね返した。
「あいつ、地球を壊すつもりだぞ!悟飯達が危ない!」
バーダックが言った途端、空が急に真っ赤に染まった。
なんと魔人ブウが、先ほどよりもさらに大きなエネルギー弾を発射したのだ。
このままでは地球が大爆発する。
ところが焦った悟空とベジータは、悟飯達を残して近くに隠れていたミスターサタンと子犬を助けて、危機を察知した界王神に助けられて界王神界に飛ばれてしまった。
「カカロットめ!悟飯達を!!」
バーダック達は急いで悟飯達のもとに駆けつけた。
そして、悟飯、ピッコロ、悟天、トランクスを抱きかかえてジングルに言った。
ところが、クリスは少し離れた一本の木の上にいた。
「何をしている!早く来い!」
ブロリーが叫んだ。
「はい!今行きます!」
クリスは急いでバーダック達のところに駆け込んだ。
ジングルは『カイカイ』でバーダック達と悟飯達とともに新惑星ベジータにワープした。

バーダック達と悟飯達が脱出した直後、地球は大爆発し、宇宙の闇に消えてしまった。
しかし、バーダック達と悟飯達は助かった。
「はぁ…。危なかった…。みんな、大丈夫?」
ジングル言った。
彼は力が抜けて動けなかった。
「あ、あぁ…。大丈夫だ…」
ブロリーが言った。
「でも、クリス。危ない時だっていうのに、なぜあんなところにいたんだ?死ぬところだったんだぞ」
バーダックはクリスを叱った。
「…ごめんなさい。でも、どうしても見殺しになんてしたくなくて…」
クリスはしょんぼりしながら言った。
よく見ると、彼の腕の中には小鳥の赤ちゃんと、2匹の親鳥が入った鳥の巣があった。
その小鳥達は、数年前にクリスが山火事から助けたあの小鳥達だった。
小鳥達の住んでいた森が、魔人ブウによって焼き払われたものの、奇跡的に小鳥達の隠れていた木は焼けずに残った為助かったのだ。
さらに悟飯達が休んでいたその場所こそが、小鳥達の巣があった木だった。
クリスは小鳥達を見殺しにできず助けたのだ。
そして幸いにも、雛鳥達は一羽も欠けることなく全員助かった。
最初はクリスを叱ったバーダックだったが、すぐに表情を和らげて言った。
「危ない行動をしたのはダメだが、小さな命を助けたのはとても良いことだ。よくやったな、クリス」
「…ありがとうございます!」
クリスは涙を流して言った。
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