『オレがオレじゃなくなる』
その言葉にきょとんとするバーダック達。
「…一体、どういうことだ？何が起こったんだ？」
ラディッツが言った。
すると、悟空とベジータが魔人ブウから飛び出してきた。
さらに悟飯、ピッコロ、悟天、トランクスも飛び出した。
「やった！悟飯さん達が助かった！」
クリスが言った。
「やるな、カカロットにベジータ！さすがは我がライバルだ」
ブロリーは誇らしげに言った。
だが悟空とベジータは少し焦った表情で魔人ブウを睨んだ。
そしてこう言った。
「みんな気をつけろ！奴の気がどんどん大きくなってきてっぞ！」
その言葉にジングルはハッとした。
「まさか！純粋形態になる！」
「なんだ？その、純粋形態って？」
サクロスが言った。

ー純粋形態とは、魔人ブウの最初の姿で、理性や心を持たない悪そのものの形態のことである。
あまりにも凶暴な為、あの魔導師ビビディでさえ手を焼いたほどだったという。
さらに、界王神界をめちゃくちゃに荒らし、多くの界王神達の命を奪ったほどの強さを持っている。
一体なぜそうなったのか。

実は悟空とベジータが悟飯達を助けた時、吸収された悟飯達に混じってミスターサタンと仲良しだったあの善の魔人ブウの姿もあった。
最初はそのままにしようかと考えた二人だったが、善の魔人ブウも助ければ、悪の魔人ブウは弱るのではと思い助けたのだ。
ところが、そこには落とし穴があった。
善の魔人ブウは、純粋形態だった頃に多くの界王神や、そのリーダーである大界王神を吸収した為、理性を持つことができていた。
だが、悟空とベジータが善の魔人ブウを助けたことによって、悪の魔人ブウは善の魔人ブウの力を失い、純粋形態になってしまったのだ。
純粋形態になった魔人ブウは、理性を失っただけでなく、以前よりもさらに戦闘力が高くなっていた。
「く、体がうごかん…」
ブロリーは震えていた。
あの無敵の伝説の超サイヤ人でさえ恐怖を感じるほどの凄まじさだった。