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Dear Saiyans 29話・心をひとつに

ベジットを吸収し、高笑いする魔人ブウだったが、どういう訳か姿は変わらなかった。
実はベジットは、吸収される直前にバリアを張って、完全に吸収されないように体内に侵入したのだ。
こうすることで、魔人ブウに吸収された悟飯達を助けることができる。
「…すごい作戦だな…」
ラディッツが言った。
「吸収される瞬間にバリアを張ったんだ。すごいな、ベジットさん」
ジングルは驚いた。
バーダックはみんなに言った。
「いいか、みんな!悟飯達が解放されたらすぐに手当てできるように構えておけ!」
「あぁ、わかった!」
「はい!」
バーダック達は悟飯達が解放される時を待つことにした。

一方で魔人ブウは、ベジットを吸収して浮かれていたと同時に、なぜか姿も変わらず、能力も使えないことに違和感を感じていた。
「おかしいな…。ベジットを吸収したはずなのに、何も起きないぞ?…まぁいいか」
魔人ブウはそう呟きながら、街にあった洋菓子店から盗んできたケーキを食べていた。
そして、お腹を満たした魔人ブウは、満足した表情で昼寝を始めた。
「…あいつ甘党だったんだ」
サクロスが言った。
「…そういえば最近、甘いものを食べてないや。プリンパフェ食べたいな…」
クリスが言った。
「…確かにな…。オレも朝から何も食ってねぇから、腹が減っちまった…」
ラディッツが言った。
その時、魔人ブウが飛び起きた。
見ると、悟飯の道着を着ていたはずの魔人ブウが、ピッコロの服、そしてゴテンクスの服と次々と変わっていき、ついには元の姿に戻っていった。
「なんだ!?なぜ元の姿に戻ったんだ!?」
魔人ブウは慌てた。そしてハッとした。
「奴め!オレが吸収した奴らを助ける為にわざとオレに吸収されたんだな!どうりで何も起きなかったわけだ。考えやがったな、ちくしょう!!」
怒り心頭の魔人ブウ。
バーダック達はそんな魔人ブウを見てハッとした。
「カカロットとベジータ、悟飯達を助けたんだ!」
ラディッツが言った。
「ってことは、もうすぐ奴から出てくるはずだ」
サクロスが言った途端、魔人ブウが苦しみ出した。
「や、やめろ!オレがオレじゃなくなる!!」
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