見ると、そこには魔人ブウと戦う見たこともない若者が立っていた。
だがその若者は、どこか悟空にもベジータにも似ていた顔立ちをしていた。
「え？あの人誰なの！？」
クリスは目を丸くして言った。
「でも、悟空さんとベジータさんがいないよ！どこに行ったんだろう」
ジングルはあわてて辺りを見回した。
すると若者は、クリス達のほうを見て言った。
「まだここにいたのか。危ないから下がったほうがいいぜ」
その声は、悟空とベジータ二人の声を混ぜたような声だった。
「なんだ、その声は！？」
「お前は何者なんだ！？」
サクロスとラディッツはびっくりした。
「オレはベジータとカカロットの合体、ベジットだ」
なんと悟空とベジータは、界王神からもらった『ポタラ』という特別な力を持った耳飾りの力で合体し、『ベジット』という合体戦士になっていたのだ。
その戦闘力は、悟天とトランクスのフュージョン戦士・ゴテンクスとは比べ物にならないほどの強さだった。
「…『ベジロット』、だって？」
ブロリーは驚きのあまり名前を間違えてしまった。
「違う違う、『ベジット』だ」
ベジットは苦笑いしながら言った。
「きさま！戦いの最中に何をベラベラとしゃべっているんだ！」
魔人ブウは怒っていた。
彼はベジットにやられてボロボロになっていた。
「あの魔人ブウを…。これは勝てるかもしれねぇな！」
バーダックが言った。
「そうだね。でも、あいつは悟飯達を吸収しているんだ。だからこのまま倒せば悟飯達も…」
サクロスは悟飯達が心配だった。
「そこは心配ないぜ。オレには作戦があるんだ」
ベジットは魔人ブウをチラッと見て言った。
そして突然叫んだ。
「逃げろ！！魔人ブウの破片が飛んで来るぞ！！」
ベジットの突然の大声にびっくりしたバーダック達は、急いで岩影に隠れた。
そしてその瞬間、ベジットは魔人ブウに吸収されてしまった。