Dear Saiyans 29話・心をひとつに

バーダック達はスカウターに映る生命反応を頼りに、生き残った人々や動物を探した。
海や山を越え、洞穴や地下空間等をくまなく探し廻ったものの、生き残ったのはたったの数人と、小さな動物数匹だけだった。
みんなはなんとか救助し、新惑星ベジータに避難させてものの、魔人ブウにやられた他の人々や動物を救えなかったことが、何よりも悔しかった。

しかし、魔人ブウは地球だけでなく全宇宙を狙っているのかもしれない。
だから、みんなを守る為に自分達も戦わなければならない。
ジングルはバーダックに言った。
「司令官!ぼくを魔人ブウと戦わせて下さい!」
しかし、バーダックは反対した。
「ダメだ。今行ったってカカロット達の足手まといになるだけだ。オレだって助けてやりたいのは山々なんだ…」
ラディッツ達サイヤ人を率いる最高司令官であるバーダックでも、魔人ブウの恐ろしい力の前に成す術がなかった。
彼は冷や汗を流し、小刻みに足が震えていた。
クリスはそんなバーダックを見てびっくりした。
「師匠が震えている…」
そしてブロリーも言った。
「オレだってカカロットとベジータに加勢したいさ…」
彼も魔人ブウが怖かった。
相手はどんな攻撃をしでかすかわからない未知の強敵だ。
下手に手を出せば自分達もやられる。そうなればかえって悟空達の足手まといになってしまう。

苛立ちを覚え始めたその時、スカウターが突然大きな反応をとらえた。
その反応は悟空とベジータからだったが、今の二人にしてはかなり大きすぎる反応だった。
さらにどういう訳か、生命反応は一人だけという反応となっていた。
まさか、どちらかがやられたのでは。
バーダック達は焦って悟空の元に向かった。
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