Dear Saiyans 29話・心をひとつに

玄関のドアを開けると、そこには悟空一家とベジータ一家が立っていた。
しかもベジータは、ドラゴンボールで生き返っていた。
悟空とベジータは、悟飯達からバーダック達に助けられたことを聞いた為、バーダック達にお礼を言いに来たのだ。
「みんな、悟飯達を助けてくれて本当にありがとうな。本当にすまねかった」
悟空は申し訳なさそうに言った。
「全くさ。あんな離れた所に寝かすからだぞ。だがカカロットに悟飯、そして悟天にトランクス、本当によく頑張ったな」
「すごかったよ、みんな。サイヤ人のみんなも大喜びだよ」
バーダックとギネは、悟空達を誉めた。
「ベジータ、かっこよかったぜ!さすがサイヤ人の王子だ!」
ナッパは大喜びだった。
するとラディッツは、ベジータの前に膝まづいていた。
「おかえりなさいませ、王子。とてもご立派でした」
ラディッツは全くふざけてはいなかった。本当に膝まづいていた。
ベジータはびっくりして顔を赤くした。
「な、何をやっていやがる!?もう膝まづくのはよせ!恥ずかしいだろ!」
「…しかし」
ラディッツは膝まづいたまま顔を上げた。
やはりベジータは目付きは鋭いのは相変わらずだったものの、以前のような怖い面影は一切なく、本当に温かく優しい顔立ちになっていた。
ベジータはラディッツに言った。
「…改めて礼を言う。地球を見つけてくれて、カカロットを見つけてくれてありがとうな。それにオレ達はもう友達だ、いや、親友だ」
親友…。その言葉にラディッツは涙が止まらなくなった。
「う、うぅ…。ベジータ…!」
「おいおい泣くなよ。これじゃ『泣き虫ラディッツ』じゃねぇか」
ナッパはクスクス笑って言った。
すると悟天とトランクスがラディッツに寄って来た。
「伯父さん、泣かないで。ほら、涙を拭いて」
悟天は優しく微笑みながらラディッツにハンカチを手渡した。
「ラディッツさん、クリスが心配するよ。だからもう泣くなよ」
トランクスはラディッツの背中をポンっと叩いて言った。
しかしそこは魔貫光殺砲の古傷だった。
「ぐはぁっ!そ、そこは…!」
ラディッツは痛くて悶絶した。
「あわわ!ご、ごめんなさい!」
トランクスがあわてて謝ると、みんなは大笑いした。

こうして、魔人ブウ騒動は一件落着。
地球に再び平和が訪れたのであった。


続く
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