Dear Saiyans 28話・魔人ブウの脅威

数時間後、無事に新惑星ベジータに到着した。
新惑星ベジータは、重力も酸素濃度も時間も地球とは変わらず、問題なく過ごすことができることができる星である。
その為、心配だった人体や動物への影響やストレスも問題なかった。
しかし、心配なのは異星人との交流だった。
ブロリーの父・パラガスが支えていたその異星人はかなりのならず者だった為、クリス達は不安だった。
すると、ブロリーが前に出て言った。
「あいつらに話しをつけておいたぞ。だから心配ないぞ」
なんとブロリーは、地球出発前に新惑星ベジータの異星人に連絡をしていたのだ。
すると、ブロリーからの連絡を受けた異星人達が一斉にバーダック達やパオス山の人々を迎えてくれた。
地球人は、初めて見る異星人を怖がっていた。
すると、一人の異星人のリーダーがみんなをなだめた。
彼の名前は『アンゴル』だ。
「皆さん、怖がらないでください。事情は全てブロリー様からお聞きしました。我々が皆さんをお守りしますので、ご安心ください!」
アンゴルは地球人を宮殿の近くまで案内した。
その宮殿は、かつてパラガスがベジータを新惑星ベジータの王として迎え、そこでベジータをグモリー彗星の力で新惑星ベジータもろとも倒そうとした宮殿だったが、今ではアンゴル達異星人が暮らしているマンションとなっている。
そして宮殿の周りは、地球と変わらない自然界が広がっていた。
そこはかつて、パラガスやブロリーに捕らえられたシャモ星人が造った自然だった。
昔は奴隷として働かされていたシャモ星人だったが、今ではブロリーらと和解し、共に暮らすことになっている。
「昔はそんなことがあったんだ…。だけど、過去のことを反省して、今ではこうして力を合わせて暮らしているんだね」
ラディッツを治療した医師が言った。
「オレ達の為に色々考えてくださったんだ。オレもアンゴルさん達の仕事を手伝おうかね」
ラディッツと出会った農家のおじさんが言った。
「よし!宇宙人の方々にも地球の美味しい料理を振る舞って差し上げよう!」
クリスが働いていた牛乳とパン屋の店長が言った。
他のみんなも、最初こそはアンゴル達が親切なふりをして、油断したところを襲うつもりだろうと警戒していた。
しかし、アンゴル達異星人は決してそんな野蛮なことはせず、地球人に優しく接していた。
そして2週間後には仲良くなり、お互いの星の文化や食べ物を紹介したり、アンゴルやシャモ星人の仕事である畑作業や建築の仕事を手伝ったりもした。
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