Dear Saiyans 28話・魔人ブウの脅威

バーダック達の家の地下には、巨大な宇宙船があった。
その宇宙船は、パオス山中の人々や動物達を全員乗せられるほどの大きさだ。
さらにバーダック達の家は、カプセルコーポレーション製というだけあって、緊急ボタンを押すと小さなカプセルになって持ち運びができる仕組みになっている。
もちろん、中にある家具も食べ物も、かつてクリスが使っていた古い医療用宇宙船も一緒に持ち運びができる。
さらにバーダックは、緊急避難用の仮設住宅を建てるカプセルや、動物達が他の星に行っても地球と変わらない環境下で暮らせる大きなドームのカプセルも用意している。
これなら他の星に行っても大丈夫だ。

そして行き先は、『新惑星ベジータ』と呼ばれる地球ほどの大きさの星だった。
そこはかつて、ブロリーの父・パラガスが、ベジータや悟空らを倒す為に利用した星だった。
実はその星には、グモリー彗星という巨大な彗星が接近してきたことがあった。
これにより、新惑星ベジータはグモリー彗星に飲み込まれ消滅するはずだったが、運良くグモリー彗星の軌道が逸れたことにより、新惑星ベジータは助かった。
現在その星には、かつてパラガスに支えていた異星人達が暮らしているという。
バーダック達は、全員が宇宙船に乗ったことを確認すると、出発の準備を始めた。
するとその時、クリスが慌てた。
「アバラン!」
クリスはそう叫ぶと、大慌てで宇宙船を飛び出した。
アバランはパオス山からずっと離れた山に暮らしている為、避難命令が届いていなかったのだ。
このままでは、アバランだけでなく妻となったリアも子供達も、アバランの両親も魔人ブウの餌食となってしまう。
「おい!クリス!どこ行くんだ!」
ベルはクリスを追いかけた。
だが、クリスはベル達の制止を振り払い、アバラン達を探し出した。
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