なんと、街にいた人々や動物があめ玉に変えられてしまった。
魔人ブウは無数のあめ玉を吸い込むと、そのまま食べてしまった。
あまりにも恐ろしい光景に、バーダック達は言葉を失ってしまった。
「…とういう訳で、このまま三人が出て来なければ、5日後には地球人も動物も全滅しちゃうよ。じゃ、情報を待ってるよ」
バビディは高々に笑うと、魔人ブウに乗ってその場を去って行った。


恐ろしい光景を目の当たりにしたバーダック達は、完全に戦意を失ってしまった。
「まさか…、あいつにあんな力があったなんて…」
ジングルは震えていた。
同じ兄弟とはいえ、能力は違っていた。
初めて見る兄の能力に恐怖を感じたジングルは、街に住んでいた人々と動物を見殺しにしてしまったことを悔やんだ。そして、激しい怒りに震えた。
「とりあえず落ち着け！落ち着くんだ！」
ナッパはジングルを抱きしめた。
「今悔やんだって何もならねぇぞ。それに、そうしてる間に奴らがここに来るかもしれねぇ。だからベジータの言ってた通り、みんなを連れて地球を脱出するんだ！」
ナッパはベジータの最後の言葉を忘れなかった。
地球人全員を脱出させるのは難しいが、世話になったパオス山の人々や仲良くなった動物だけでも助けてやらなくてはならなかった。
「それに、カカロットが言ってたが、魔人ブウを倒す為に悟天とトランクスが頑張っているんだ。悔しい気持ちは分かるが、まずはみんなが助かることをしなければならないんだ」
ブロリーが言った。
「…わかった。ありがとう！」
ジングルは涙を拭くと、バーダックに言った。
「バーダック司令官！パオス山の人々に避難命令をお願いします！ぼくはテレパシーで動物達を集めますので！」
「わかった！ただし、バビディにバレねぇように気を付けるんだぞ！」
バーダックは早速パオス山付近の各村を周り、各村の村長を集めて事情を話した。
そして、全地域に避難命令が出され、各村の住民全員と、パオス山中の動物達が一斉に、バーダック達の家に避難をした。