Dear Saiyans 28話・魔人ブウの脅威

そして、ジングルも悔しがっていた。
バビディと実の兄・魔人ブウを止めていれば、こんなことにはならなかったと。
「ぼくのせいだ…。ぼくがもっと早く気づいていれば…」
しかし、誰ひとりとしてジングルを責める者はいなかった。
「そんなに落ち込むな。お前のせいじゃない。それにいつまた魔人ブウが襲って来るかわからねぇぞ?だから、今オレ達にできることをやらねばならねぇんだ」
バーダックはジングルを励ました。
その時、どこからか声が響いた。
「地球のみんなに告げる!ぼくは魔導師バビディさ。そしてこっちはぼくの家来・魔人ブウさ」
なんとバビディだった。しかも魔人ブウは生きていた。
確かに魔人ブウはベジータの大爆発によって消滅した。
ところが、魔人ブウの再生能力は凄まじく、小さな欠片になってもあっという間に復活してしまうのだ。
バビディはテレパシーで地球人に話しかけていたのだ。
バビディの声を聞いたラディッツは、耐え難い怒りで体を震わせた。
「奴め、生きていやがったのか!!ベジータと悟飯の仇をとってやる!!」
ラディッツは鬼の形相を浮かべ、ものすごい殺気を放ちながら家を飛び出そうとしたが、クリスとブロリーに止められてしまった。
「ラディー、ダメ!!危ないよ!」
「頭を冷やせ!ラディッツ!」
すると、バビディがこんなことを言い出した。
「今から面白いものを見せるから、目を閉じてごらん」
「…くそ、嫌な予感がするぜ…」
バーダックはそう言いながらも、目を閉じた。
すると、不思議なことに大きな街の映像が写し出された。
そして目の前に、バビディと魔人ブウが空に浮かんでいた。
バビディが言った。
「ぼくはある人物に不愉快な目に合わされたんだ。だからぼくはそいつらに仕返しすることにしたのさ。ちなみにぼくが探しているのは、こいつらさ」
次に写し出されたのは、ピッコロと悟天、そしてトランクスだった。
「あ、あいつ!ピッコロ達を探しているのか!」
ターレスが言った。
そして、バビディはこんなことを言い出した。
「この三人が現れなかったらどうなるか、見せてあげるよ」
バビディは指をパチンと鳴らすと、魔人ブウが街に向かって光線を発射した。
「な、何!?」
バーダックが言葉を発すると同時に、一気に背筋が凍りついた。
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