魔人ブウの放った大量の気弾が、地面を次々と直撃し、地下街が大地震のようなものすごい揺れに襲われた。
ラディッツ達は、近くにあったクッションや買い物カゴで頭を守りながら床に伏せた。
あまりにも激しい揺れだった為、ラディッツ達は悲鳴をあげていた。


そして、魔人ブウは攻撃を止めたことにより、ようやく揺れが収まった。
「みんな大丈夫？ケガはないかい？」
ジングルは声をかけた。
幸いにも、誰もケガはなかった。
「魔人ブウの野郎、調子に乗りやがって！」
ラディッツはカンカンに怒った。
「全くだ。昔の自分を思い出してしまったぞ。くそ、反吐が出る…」
ブロリーも怒った。
彼もまた、かつて破壊と殺戮を好む悪魔だった自分を思いだし、悔やんでいたのだ。
しかし、今は悔やんでいる暇はない。
この地球にはまだまだブルマやクリリン、そして天津飯や人造人間17号などが残っているのだ。
だが、先ほどの魔人ブウの攻撃で、西の都から離れた街や村に住む人々や動物は、すでにやられてしまっていた。
だから今から行っても、もう手遅れかもしれない。
しかし、ラディッツ達は諦めなかった。
ラディッツは、まだ地球人がいるかもしれないと信じて、スカウターを起動させた。
だが、スカウターにはほとんど反応がなかった。
やはり地球からは、完全に誰もいなくなってしまっていた。
「…ちくしょう！ぼくがもっと早くに来れば、ぼくが魔人ブウを倒していれば…」
ジングルは悔しくて泣き出してしまった。
「おいおい、泣くなよ。君は一生懸命頑張ってみんなを助けたじゃないか」
サクロスはジングルを慰めた。
「もし魔人ブウを倒したら、ドラゴンボールで生き返らせることだってできるんだぞ。気持ちは分かるが、今は悟天達に託すしかない！」
ブロリーが言った。
その時、ラディッツが何かを見つけた。
それは西の都から少し離れた場所からだった。
ラディッツ達は急いで、反応があった場所に向かった。