Dear Saiyans 28話・魔人ブウの脅威

すぐに西の都にたどり着いた。
幸い西の都には、まだ魔人ブウは来ておらず、大勢の人々が避難していた。
「よかった!やっと見つけた!」
ジングルは街の人々に駆け寄った。
ところが人々は、ジングルを魔人ブウと見間違えてびっくりした。
「みんな、怖がらないでください!ぼく達が助けにきましたよ!」
ジングルはあわててラディッツ達を解放すると、みんなは一斉に力が抜けた。
人々はこれまでにラディッツ達が多くの危機から救ってくれたということを知っている為、ラディッツ達の顔を見た途端、魔人ブウではなかったということがわかったのだ。
「なんだ、ジングルさんだったんだ…」
「てっきり魔人ブウが出たかと思ったよ…」
「びっくりして損したよ…」
街の人々は安堵の表情を浮かべた。
ジングルはみんなに言った。
「これからぼくの能力で、皆さんを遠い星へ移動させます。地球と同じ環境の星なので大丈夫です。そして優しい宇宙人達が、皆さん方をお守りしてくれます」
みんなは最初こそは驚いたものの、ジングルの言葉を信じた。
ブロリーは新惑星ベジータのアンゴル達に連絡をとると、ジングルはすぐに街の人々を瞬間移動させた。
ジングルの能力で飛ばされた地球人は、無事に新惑星ベジータに到着し、クリス達やアンゴル達と合流できた。

地球に残っている人々の人数は、あと10人となった。
「よし、あとはこの方々だけだ。これなら…」
サクロスがそう言った途端、ものすごい気配を感じた。
空を見ると、魔人ブウの姿が見えた。
しかもその魔人ブウは、先ほどのあのかわいらしい姿ではなく、体がスリムになり、さらに凶悪な顔つきになっていた。
それを見たジングルは震え上がった。
「あの顔、純粋形態の魔人ブウにそっくりだ!」

ー実は魔人ブウは、強力な戦士を吸収することにより、パワーアップをするだけでなく、知性を持つようになる。
バビディが倒された後、魔人ブウは地球の世界チャンピオン・ミスターサタンと仲良くなり、優しい心を取り戻したことによって、一時は破壊活動をやめていた。
ところが、突然悪の心が暴走し、善の心と悪の心が分かれていたのだ。善の心を持ったブウは、悪のブウと戦ったものの敗れてしまい、吸収されてしまった。
結果、魔人ブウは再び悪に染まり、今度は残った地球人を絶滅させようと企んだのだ。

その話に、みんなは真っ青になった。
「早くしないと、みんなやられるぞ!」
ブロリーが言ったその時、空から無数の気弾が降り注いできた。魔人ブウが攻撃を開始したのだ。
「まずい!来るぞ!」
サクロスが叫んだ。
ジングルは急いで街の人々を新惑星ベジータにワープさせた。
そして、全員をワープさせたジングルとラディッツ、サクロス、そしてブロリーは急いで地下街に避難した。
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