Dear Saiyans 27話・忍び寄る新たな影

「……戦闘力が全てじゃない…か…」
そう呟いた途端、ラディッツはクリスを抱きしめて泣き出した。
「ごめんな、クリス…。痛かっただろ…」
「ううん、元の優しいラディーに戻って、嬉しいよ…」
クリスも泣き出してしまった。


しばらくして、ようやくナッパ達が駆けつけてきた。
ナッパ達はやっとの思いで、ダーブラ以外のバビディの手下達を倒すことができた。
ナッパ達はラディッツが正気に戻ったのを見て驚いた。
「おぉ!ラディッツの洗脳が解けた!」
「って、クリス!ひどいケガじゃないか!」
みんなはクリスとラディッツに駆け寄った。
「心配かけて、ごめんね…」
クリスはみんなに、ラディッツがバビディの魔術にかかった理由を明かした。

「…ラディッツ。相当悩んでたんだな…」
ターレスはため息をついて言った。
「だからって、悪い奴の言いなりになっちゃダメだろ。あれじゃ、フリーザと同じだぜ?」
ナッパはラディッツを慰めた。
「クリスの言うとおりさ。戦闘力が全てじゃない、心の強さと優しさが大切なんだ」
ベルが言った。
「みんなで力を合わせれば、大きな力になれるんだよ。だから、自分に自信を持って」
ジングルが言った。
「…みんな、ありがとう!ごめんな」
ラディッツは涙を拭くと、元気を取り戻した。
「…すごい、バビディの魔術を打ち破るなんて…」
界王神はびっくりしていた。


その時、大きな爆発音が響き渡った。
見ると、空には怪しい煙が上がっていた。
それを見て、界王神が焦り出した。
「まずい!魔人ブウが復活します!」
みんなはグッと構えて臨戦体勢に入った。
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