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Dear Saiyans 26話・ベジータ達の休日

やがて、あっという間に日は暮れて、空には美しい三日月が輝いていた。
ベジータはナッパとラディッツに言った。
「せっかくだから、星を見に行こうか」
「星をか?オレ達の住んでる所もきれいな星空が見えるが…。まぁいいか、三人で眺めるのも良いよな」
ラディッツは少し考えたものの、賛成した。
「そういやテレビのニュースでは、今夜は流れ星が見えるらしいな。せっかくだから見に行こうぜ」
ナッパが言った。
「流れ星か…。昔子どもだった頃に、よくお願い事をしてたな。懐かしいぜ…」
ベジータは、子どもの頃にサイヤ人の王だった父親と一緒に、流れ星にサイヤ人達の幸せを願ったことを思い返していた。

ベジータ達がたどり着いた所は、街から離れた高い丘だった。
丘の下では、静かに流れる小川や、美しい夜景が広がっていた。
そして空には、パオス山の大自然の夜空に負けないぐらいの星空が広がっていた。
「きれいだな…」
「本当だ。夜景とセットになっているのも良いよな」
ナッパとラディッツは、星空を眺めながら呟いた。
「オレはイライラした時に、よくここでボーッとしながら空を眺めるんだ。そうすると、不思議と悩みもプライドもどうでもよくなるんだ」
ベジータが言った。
プライドが高く、常に高みを目指している彼だが、時として悩みやストレスに苛立つ時がある。
ある時、ライバルである悟空に先を越され、苛立っていた時に偶然にもこの場所を訪れた。
その時は夜中で、晴れた夜空には無数の星がきらめいていた。
ベジータはその美しい夜空に心を打たれ、そして腹立たしかった気持ちが涙と共に洗い流されていた。
彼は一度はフリーザの恐怖に震え、涙を流したことはあったものの、感動の涙を流したのは初めてだった。
ベジータは心が癒されたこの場所に、ナッパとラディッツを連れて星を見せたかったのだ。

すると、星空の中を3つの流れ星が駆け抜けていった。
「おぉ!流れ星じゃねぇか!」
「しかも3つ同時になんて、すげぇな!」
ナッパとラディッツは、流れ星にはしゃいだ。
「お前達は、何を願ったんだ?」
ベジータは二人に言った。
「そりゃもちろん、みんなが平和に幸せに暮らせるようにという願いさ」
ナッパが言った。
「オレも、悟飯達が元気に過ごせるように願ったぜ」
ラディッツが言った。
「ふふ、かつては宇宙の地上げ屋として恐れられていたオレ達が、人々の幸せを願うとはな…」
「そう言うベジータは、何を願ったんだ?」
ナッパは微笑んで言った。
「もちろん、ブルマやトランクス達を守ってやれるように…と」
ベジータが言った。


その後、ナッパとラディッツはベジータと別れ、家へと帰っていった。
「ふぅ、楽しかったな」
「今度はクリス達を連れて行きたいな」
ナッパとラディッツは笑いながら、クリス達の待つ家路を急いだ。
そして無事に家に帰り、クリス達に声をかけた。
「ただいま!」
「おかえり、ラディー!ナッパさん!」





続く
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