Dear Saiyans 26話・ベジータ達の休日

ベジータ達が歩いているのは、西の都という大都会だ。
普段は大自然に囲まれながら過ごしているナッパとラディッツだが、大都会の中を歩いているうちに楽しい気分になった。
ナッパは歩いていくうちに、ベジータと地球に降り立ったあの時を思い出した。
「昔は本当に悪いことをしてしまったな…。ドラゴンボールで蘇らせたとはいえ、いまだに申し訳ない気持ちでいっぱいだ…」
ナッパはため息をついて言った。
「だからこそオレ達は、その過ちを二度と犯さぬように、心の中にしまっておかねばならないんだ。あの時の罪と過ちを、忘れないようにな…」
ベジータはビルに囲まれた空を見上げて言った。

かつて、フリーザに故郷や同族の命を奪われ、行き場所を失った彼らはフリーザに忠誠を誓い、宇宙の地上げ屋として働かなければ生きる場所がなかった。
だが、サイヤ人という理由でフリーザ軍兵からはひどい仕打ちを受け、破壊と殺戮を繰り返していくうちに、いつしか心が壊れ、恐ろしい悪魔に変貌してしまった。
しかしそんな中、フリーザの弟・クリスだけが、ベジータ達三人を愛し、手を差し伸べていた。
ベジータ達は、クリスのおかげで少しずつ優しい心を取り戻し、星の制圧をやめようと考え始めた途端、フリーザに知られてしまい、クリスとの交流をやめなければ命はないと脅されてしまった。
これにより、とうとうベジータは優しい心を失い、ナッパやラディッツ、さらにはフリーザ軍を裏切り、ナメック星で大暴れした末に、かつてのボスだったフリーザに痛め付けられた。
しかし、三人はそれぞれ悟空やブルマ、そしてクリス達に助けられ、地球人の温かさに触れて、失いかけた優しさを取り戻すことができた。
そして、ベジータはブルマと結婚し、幸せな家庭を築き、ナッパとラディッツも仲間達と共に地球を守る使命を胸に過ごすことができた。
あの時クリスがいなかったら、そしてラディッツが地球に来なかったら、こんな幸せな生活を送ることができずにいたのかもしれない。
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