Dear Saiyans 25話・ビッグゲテスターからの脱出

なんとそこには、アバランの父親と母親が立っていた。
「お、親父…!お袋!!」
「アバラン!会いたかった…」
アバランは泣きながら両親に抱きついた。
そして両親もアバランを抱きしめた。
「この人達がアバランのお父さんとお母さんなんだ…」
ジングルは涙を拭きながら言った。
「でも、どうしてなんだ?両親とも、死んでから何十年も経ってるのに…」
スーノが言うと、そこへクリスとラディッツ、ムーリがやって来た。
ムーリがみんなに言った。
「この子達がポルンガにお願いしたんだ。アバランとやらのご両親を生き返らせて欲しいと」
みんなは驚いた。



実はあの時、クリスはラディッツの提案で最後の願いで、アバランとリアの両親と祖父母を生き返らせることにしたのだった。
しかし、ドラゴンボールは病気で亡くなった者や、寿命を迎えた者を自然死とされる為、生き返らせることは不可能だった。
リアの両親は共に病で亡くなり、そして祖父母も寿命でこの世を去っていた。そのため、生き返らせることはできなかったのだ。
さらに、アバランの両親も亡くなってから数十年も経っているため、魂がまだ残っているかわからない状態だった上、肉体の再生もうまくできるかもわからなかった。
だがクリスは、アバラン達の為だとダメ元でポルンガにお願いをした。
すると、時間はかかったものの、見事にアバランの両親を生き返らせることに成功した。


「…という訳だったんだ。ラディーがどうしても罪滅ぼしをしたいって…」
「……」
クリスとラディッツの目は潤んでいた。
アバランは泣きながらクリスとラディッツにお礼を言った。
「あ、ありがとうな…。クリス、ラディッツ…」
そして両親もお礼を言った。
「クリス君、ありがとう。私たちを生き返らせてくれて…」
「本当にありがとうね…」
両親も嬉しくて泣いていた。
アバランはナメック星で死んだあの時、確かにあの世で両親と再会していた。
しかし再会して早々に、アバランがフリーザ軍に手を染めてしまったこと、そしてラディッツ達サイヤ人を恨んでいたこと、そして大切な恋人であるリアを残して死んだことを叱られた。
それでも両親は、戦いで心身共にボロボロになったアバランを休ませていた。
ところが、現世でアバランの遺骨がメタルクウラに捕らえられ、メタルアバランに改造されたことによって、アバランは両親から引き離されて現世に戻ってしまった。
しかし、クリスとラディッツによって両親は生き返り、再び再会できた。
アバランもリアも、そして両親も子ども達も、何度もラディッツ達にお礼を言った。
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