Dear Saiyans 23話・クリスの力

「くそぉ!このまま犠牲者が増えれば培養液がさらにデカくなっちまうじゃねぇか!」
ラディッツは培養液を交わしながら言った。
「待って!祈祷師さんがいない!」
クリスが言った。
「そんな奴なんかどうでもいい!早くしろ!」
ラディッツはそのまま飛び去ったが、クリスは祈祷師を探しに飛び出した。
「クリス!危ないよ!」
ギネはクリスを追いかけようとしたが、培養液に行く手を阻まれてしまった。


「祈祷師さん、どこにいるの?」
クリスはスカウターで祈祷師を探した。
すると、戦闘力が2の反応があった。
「いた!この部屋の中だ!」
クリスは急いで祈祷師の部屋に向かった。
その時、部屋から断末魔が響いた。
「まさか!祈祷師さぁーん!!」
クリスは真っ青になって部屋に入った。
部屋に入ると、祈祷師が培養液に飲み込まれようとしていた。
クリスはあわてて気功波を撃って培養液を追い払い、危機一髪のところで祈祷師を助け出すことができた。
しかし、祈祷師の体は培養液にやられ、酷い大ケガをしていた。
「お、お前は…。なぜ、私を、助け…」
祈祷師は苦しみながらクリスに言った。
「あまりしゃべっちゃダメ!今助けるから!」
クリスは祈祷師を抱きかかえて部屋をあとにした。
そして、クリスと祈祷師がいた部屋は、たちまち培養液にまみれてしまった。
「危なかったぁ…!」
クリスは冷や汗をかいた。
「私を、どこへ…?」
祈祷師は弱々しい声でクリスに言った。
「今波止場で大きな船が止まっているんだ。そこに行けば大丈夫だよ、多分…」
クリスが言った。
すると、祈祷師の体の傷が少し癒えていた。そればかりか、祈祷師はなぜか安心して眠っていた。
「あれ、寝ちゃった…。それに、傷が…」
あれほど大きなケガだったのに、いつの間にか治りかけていた上に、痛くて怖い思いをしたはずなのに安心して眠った。
クリスには分からなかった。
しかし、今は考える暇などない。まだ研究所に人がいる。クリスは祈祷師を客船内の休憩室に寝かせ、医者に手当てをするようにお願いをすると、急いで飛び出して行った。
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