Dear Saiyans 23話・クリスの力

すると、空からエンジンの音が響いた。
見ると、高級自動車型ジェット機が飛んできた。
見ると、そのジェット機はこれまた立派な建物の前に着陸し、止まった。
中から、少し悪そうな顔つきの男とミスターサタン、そして悟天とトランクスが降りてきた。
「なぜこんなところにあいつがいるんだ?」
「それに、悟天君とトランクス君もいる…」
ラディッツとクリスが言った。
「あら、あの大きな建物に入っていったよ。知り合いか誰かに招待されたのかな?」
ギネが言うと、バーダックは目を鋭くして言った。
「…嫌な予感がするな…。オレ達も行った方が良さそうだ…」
最初は戸惑った三人だったが、勘の鋭いバーダックを信じて同行することにした。

入ってみると、大勢の人々が広い中庭に集まっていた。
その人々は、地球人とは思えない異星人のような姿をしていた。
「ここにも異星人がいるの?でも、どうして…?」
クリスは不思議に思った。
「ん?あそこに悟天達がいるよ」
ギネが言った。
みると、悟天とトランクスが、この豪邸の飼い犬と戯れていた。
その犬は目付きが鋭く怖い顔をしているが、実際は人懐っこい性格だった。
犬は、ラディッツ達の匂いを嗅ぎ付けたのか、ワン!と吠えてこっちにやって来た。
「わっ!怖い…」
クリスはびっくりしてラディッツの後ろに隠れた。
しかし、犬は唸ったり噛もうとしたりせず、尻尾を振りながら座った。
「クリス、大丈夫みたいだよ」
ギネが言った。
クリスはおそるおそる手を出すと、犬はクリスの手を優しく舐めた。
そして、緊張の糸が解けたクリスは、犬の頭を撫でた。
すると犬はくーんと鳴いて喜んだ。
その後犬は、クリスだけでなくラディッツやバーダック、ギネにもなついた。
すると。
「あれ?ラディッツさんにクリスさん達だ!」
「ラディッツ叔父ちゃん達も、ここに来てたの?」
悟天とトランクスがやって来た。
「よぉ、お前達もサタンに付いて行ったのか」
バーダックは犬を撫でながら言った。
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