Dear Saiyans 23話・クリスの力

ある日、クリスとラディッツ、そしてバーダックとギネは、とある島を訪れていた。
その島は少し小さな島ではあるが、とても温暖で景色が良く、お土産もたくさん揃っている観光地だった。
クリスとラディッツ、ギネ、バーダックは休日を利用して、この島に遊びに来たのだ。
「海もきれいだし、空気もおいしい!本当にいい所ですね」
クリスはバーダックに言った。
「ああ、たまにはこうやって羽目を外すのも悪くねぇな」
バーダックは満足そうに言った。
「地球にこんなにいい所があったなんて、本当侵略なんてしたらもったいないわね…」
ギネはラディッツに言った。
「うっ…、もうその話をいいだろ!」
ラディッツは慌てた。
「ねぇラディー、せっかくだから海で泳ごうよ!」
クリスが言った。
「あ、いや、オレは…」
ラディッツはまた慌てた。
実はラディッツは泳ぐのが苦手なのだ。
しかし、決して泳げない訳ではなく、怖くて仕方がないだけなのだ。
ラディッツがピッコロにやられ、地獄に落ちた際、底無し沼や血の池で怖い目に会い、泳ぐことがすっかり苦手になったのである。
だがラディッツは、クリス達にそんな自分を見せたくなかった。その為、なんとかごまかしてやり過ごしていたのだ。
「クリス、悪いがちょっと調子が悪くてな…。なんて言うか、少し鼻風邪気味なんだ…ふぁっくしょい!!」
ラディッツはくしゃみのフリをしてごまかした。
「そうだったんだ…。わかった、じゃあどこか散歩しようよ!何かお土産とかあるかもしれないよ」
「悪いな、クリス…」
「ううん、大丈夫だよ」
仲良く話すラディッツとクリスを、バーダックとギネはクスクス笑いながら見ていた。
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