Dear Saiyans 22話・伝説の超サイヤ人

少女を育てた夫婦は、最初こそは反対していたが、少女の熱意は変わらなかった。
「お願い!ラディッツさん達と一緒に、世界を救う仕事をさせて!」
少女の必死な思いが届いたのか、夫婦はようやく了解した。
「…わかった。お前がそこまで言うのなら、もう止めないよ」
「でも、いい?危なかったらすぐに逃げるのよ」
「うん。あたし、頑張るね!今まで育ててくれて、ありがとう」
少女は微笑んで言った。
「ラディッツさん、そして皆さん。うちの娘を、トナカをよろしくお願いします」
母親が言った。
「たまには顔を見せておくれ。頑張るんだぞ」
父親が言った。
「うん、いってきます!」
こうして、トナカが仲間になった。


クリスはトナカにこれまでのことを話しながら、ドラゴンボール集めを再開した。
「…というわけだったんだ…」
「そうだったの…。クリス君も大変だったのね…。でもあなた、フリーザの弟だったのに、とっても優しいのね」
トナカはクリスの話を聞いて、悲しくなった。
「…ぼくはただ、ラディー達を助けたくて、フリーザのもとを飛び出したんだ…。それ以来、ラディー達を一緒に世界を守ろうと決めたんだ。本当は全宇宙を守りたかったけど…」
クリスは目に涙を浮かべて言った。そして、たまらず泣き出してしまった。
「ぼくが、ぼくがもっと早くラディー達を止めていれば…、トナカちゃんもシャーツ星の人たちも、怖い目に合わなかったのに…。」
急に泣き出したクリスに、トナカは慌てた。
「あぁ!泣かないで、クリス君。ラディッツさん達もあなたも悪くないから!もうシャーツ星は、ナッパさんが元通りにしてくれたし、みんなも無事よ。だから泣かないで」
「…うん、ごめんね…」
トナカはクリスを抱きしめ慰めた。


しばらく歩いていると、辺りが寒くなってきた。
そこは氷河地帯だった。
湖には分厚い氷が浮かんでおり、岩山からはきれいな滝が流れていた。さらに周りには、たくさんの水晶の原石があった。
「すごいきれいな所だね」
ジングルが言った。
「ここは水晶がたくさん採れる場所なのよ。ここでパパ達がいつも水晶を発掘して、村でアクセサリーにして販売してたの」
トナカが言った。
「へぇ、お前さんの親父さん達すごいな」
ターレスが言った。
すると、悟天とトランクスが何かを見つけた。
「あ!誰か倒れているよ!」
「誰だろう?行ってみよう!」
二人は走り出した。
「あ!待ちなさいよ!」
ビーデルはあわてて二人を追った。
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