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Dear Saiyans 22話・伝説の超サイヤ人

「ブロリーさん!」
クリスはブロリーを湖から引き上げた。
ただでさえ傷だらけだったブロリーは、すっかりボロボロになっていた。
「ブロリーさん!しっかりして!」
クリスはブロリーに触れた。
すると、ブロリーの体が光り出し、傷がみるみる消えていった。
傷がすっかり治ると、ブロリーはゆっくりと起き上がった。
「…お前、一体何を…?」
ブロリーはきょとんとして言った。
「クリス君、今の力は…?」
悟飯はクリスに言った。
「え?ぼく、何かやったの?」
クリスには分からなかった。
「クリス君、なぜブロリーを助けて…」
悟飯が言うと、クリスが言った。
「悟飯さんの話を聞いてたら、ブロリーさんがかわいそうに思えて…。だからお願いです!ブロリーさんを倒さないでください!」
クリスは涙を流して言った。
「…大丈夫だよ。もうブロリーに何もしないから…」
悟飯は泣きじゃくるクリスを抱きしめた。
ブロリーは悟飯に歩み寄って言った。
「すまなかったな、悟飯。本当に強くなったな」
「ブロリー…」
驚く悟飯に、ブロリーはさらにこう言った。
「オレは確かに、カカロットとベジータを恨んでいた。だが、あいつらのおかげで、オレは本来の力を発揮することができた。それに、お前達と戦って、とても楽しかった」
ブロリーは心の底から喜んでいた。
父親に戦闘力を制御され、自由を奪われたところを、悟空達とめぐり会い、そしておもいっきり戦うことができた。
その時の悟空達は手痛いダメージを食ってしまったが、ブロリーは本気で悟空達を殺そうとはしなかったのだ。
そして、またいつか戦いたいと思うようになった。
それも今度は敵としてではなく、良きライバルとして…。
「ねぇ、ブロリーさん。ぼく達と一緒に、世界を救う仕事をしない?」
クリスが言った。
「そうだ。伝説の超サイヤ人がいれば千人力だぜ!」
ラディッツが言った。
しかし、ブロリーはこう言った。
「お前達と世界を救う、か…。気持ちはもらっておくよ」
「え?」
「オレはカカロット達と違って、気が高まり、溢れるんだ。だから、下手をすれば、守るべきものを巻き込んでしまうかもしれないんだ…」
ブロリーは、あまりに強すぎるパワーで、逆に被害を出してしまうことを恐れていた。
「あんた、これからどうするつもりなんだ?」
ナッパが言った。
「オレは、カカロットやベジータに勝つ為に修業をする。無論、この地球のどこかでな」
ブロリーが言った。
「え!?地球が壊れるよ…」
ジングルはびっくりした。
「安心しろ、修業はただ暴れまわればいいってものじゃないぞ」
「昔は暴れてたくせに!」
悟飯はツッコミを入れた。
「何をー!?伝説の超サイヤ人に向かって、許さんぞぉ!」
ブロリーは悟飯を追い回した。
そんな楽しそうにはしゃぐ二人を見て、みんなは大笑いした。


こうして、ラディッツ達とクリス達一行に、新たにトナカが加わり、ブロリーは更なる強さを求め、修業を始めた。


続く
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