Dear Saiyans 22話・伝説の超サイヤ人

見ると、そこには大男が倒れていた。
その大男は、ナッパよりも筋骨隆々で、髪はエメラルド色だった。
ナッパはハッとした。
「こいつもサイヤ人だ!でもなんでこんな所に?」
その時、大男が目を覚まし、むっくりと起き上がった。
その大男は、異常なまでに背が高く、なんと白眼だった。
大男は悟天を見るとこう言った。
「…カカロット…」
「なんだなんだ?カカロット?ぼくそんなもの、食べたことないよ!」
悟天は訳が分からなかった。
「そうか、悟天君は悟空さんの本当の名前を知らないんだ!」
ジングルは気づいていた。
「悟天、よく聞いてくれ。彼が言うカカロットというのは、お前のお父さん、つまり悟空の本当の名前なんだ」
ナッパは悟天に言った。
「え!?そうだったんだ!」
悟天はやっとわかった。
「悟天、だと?カカロットじゃなかったのか…」
大男は悟天を睨みながら言った。
「あなたは、一体…」
クリスは怖いのを我慢して、大男に声をかけた。
「…オレはブロリー。伝説の超サイヤ人だ」
その瞬間、クリスとラディッツ達が震え上がった。
「で、伝説の超サイヤ人だと?!超サイヤ人の中で、特におっかねぇやつか!!」
ナッパは震えながら言った。
「え!?な、何?どういうこと?」
「オレ達だって、同じ超サイヤ人になれるのに、どうして怖がるの?」
悟天とトランクスは戸惑った。
「違うの…。その人は、ただの超サイヤ人じゃないの…」
クリスは震えながら悟天とトランクスに言った。


伝説の超サイヤ人とは、悟空達が変身する超サイヤ人とは違う形態で、戦闘力が無限に高まる最強のサイヤ人である。
ただでさえ伝説と呼ばれていた超サイヤ人であるが、伝説の超サイヤ人は数千年に1人の確率で現れる大変珍しい戦士だ。
しかし、生まれつき戦闘力が非常に高いゆえに、性格は荒く、破壊と殺戮を好む恐ろしい戦士とも言われている。
その恐ろしさは、あのベジータですら恐れをなして戦意を失うほどだ。
その為、純粋なサイヤ人であるラディッツ達サイヤ人と、ラディッツ達と長年一緒に過ごしているクリスも、怖くてたまらなかった。
「悟天にトランクス、ブロリーを怒らせてはダメだぞ…。大変なことになるぞ…」
ターレスが言った。
すると、ブロリーは悟天とトランクスを見てこう言った。
「なるほど、お前達も超サイヤ人になれるのか…。ならば、その力を見せてもらうとするか…」
なんとブロリーは、悟天とトランクスと力比べをしようというのだ。
「そんな!この子達はまだ子どもなんですよ!おやめください…」
クリスは震えながら言うと、ブロリーはゆっくりと振り返った。
クリスはビクッと震えると、ブロリーが言った。
「安心しろ、殺しはせん。だが邪魔をすれば許さないぞ」
そして、ブロリーは悟天とトランクスを広い場所に呼び、力比べを始めた。
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