Dear Saiyans 21話・孫悟空よ、永遠なれ…。

それは、セルに壊された16号だった。
彼はサタンによって悟飯の所に連れてもらったのだ。
16号は悟飯に言った。
「悟飯…。守るべきもののために戦うことは、罪ではない…。オレの好きだった、自然や動物たちを…、守ってくれ…」
するとセルは、16号を踏みつけ、完全に破壊してしまった。
「…!!」
クリス達は、16号の最期を目の当たりにし、大きなショックを受けた。
その時、悟飯が大きな雄叫びを上げた。
悟飯の潜在能力が完全に解放され、覚醒したのだ。
「…悟飯…」
ラディッツ達はびっくりした。
一方で悟空は、優しく微笑んでいた。
「…カカロットめ、悟飯の真の力を解放させるために…」
バーダックはようやく理解した。

悟飯は、すばやい身のこなしと強烈な打撃攻撃で、セルジュニアを次々と倒していった。
ラディッツ達とクリス達は、悟飯の圧倒的な強さに言葉を失っていた。
セルも同じだった。
悟飯は、鋭い目でセルを睨み付けると、ものすごい勢いでセルに飛びかかった。
セルは悟飯の重い一撃を食らい、大きなダメージを負った。
さすがに焦ったセルは、必死に攻撃を繰り出すが、悟飯は怒りに任せてセルを攻撃し続けていた。
すると、深手を負ったセルは、口から何かを吐き出した。
それはなんと、吸収された18号だった。
18号を吐き出したセルは、第二形態に戻った。
「あ!18号さんだ!」
「18号が助かったぞ!」
クリス達は急いで18号を抱き抱えて、安全な場所に避難させた。
「ちくしょう!許さん!許さなぁぁぁぁぁい!!」
怒り狂ったセルは、体が大きく膨らみ始めた。
「な、何をする気だ!?」
サクロスが言った。
「ひぃぃ!!な、なんだか怖ぇーよ!!」
スーノは震えた。
セルは笑いながら言った。
「オレはもうじき自爆する!地球まるごと吹き飛ぶぞ!!」
なんとセルは自爆しようとしていたのだ。
セルが爆発すれば、地球全体が吹き飛ばされてしまう。さらにセル自身も、もう止めることができないのだ。
悟飯は悔しがった。
もっと早くセルを倒していれば、こんなことにはならなかったと。
すると、悟空が前に出てそっと言った。
「…やっぱり、これしか地球を救える道はねぇな…」
「…カカロット?ま、まさか…!?」
そして…。
「バイバイ…、みんな…」
悟空は瞬間移動で、セルのもとに行った。
そして、悟飯に言った。
「悟飯、ここまで成長したな…。すごかったぞ…。母さんに、すまねぇって伝えてくれ…」
悟空は悟飯を誉め、優しく微笑むとセルと共に瞬間移動をした。
そして悟空は、まばゆい閃光の中に消えていった。
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