超サイヤ人となったラディッツは、涙を流しながら三日月を眺めていた。
クリスは、おそるおそるラディッツに近づいた。
「…ラディー」
クリスの呼びかけに、ラディッツは唸り声をあげながら振り返った。
ラディッツの目は以前と比べて鋭く、獣のようにギラギラしていて、とても怖い顔だった。
しかしクリスは、ためらうことなくラディッツを抱きしめた。
「ラディー…。ぼくも同じだよ…。ぼくもセルを許せないんだ…。だけど、ラディーはあの時、カカロットさんを助けてくれたじゃない…」
クリスはラディッツに優しく声をかけた。
悟空が心臓病に倒れた頃、ラディッツが悟空を看病したことを、クリスは思い返していた。
「ラディー、自分を責めないで…。いつまでも悔やんでいたら、カカロットさんと16号さんが悲しむよ…。だから、二人の分も頑張ろ？ぼくも頑張るから…」
クリスの声は、だんだんと涙声に変わっていった。
そして、ラディッツの鋭い目から涙がこぼれ落ち、声をあげながら泣き出した。
「ご、ごめんな…、クリス…。みんな…」
ラディッツは超サイヤ人になったまま、大泣きした。
「ラディー、泣かないで…。泣かないで…」
クリスも泣きながらラディッツを撫でた。
超サイヤ人の髪は、思った以上に美しくキラキラしていた。まるで、太陽の光のような、明るく暖かい金色だった。

その後、ラディッツ達は家に戻った。
ラディッツはすっかり落ち着きと取り戻し、もとの姿に戻っていた。
「オレも怒りと悔しさに潰されていた…。だがクリスと親父の言うとおり、そんなんじゃカカロットと16号が喜ぶ訳がない。オレもリーダーとして、みんなのために頑張るか！」
「うん、ぼくもカカロットさん達に負けないぐらい、もっともっと頑張るよ！」
ラディッツとクリス、そしてみんなは、三日月に誓った。





続く