ラディッツは全速力で森を駆け抜け、ある場所にたどり着いた。
そこは、悟空とピッコロの二人と戦い、悟空と共に倒れた、あの場所だった。
「ラディー、どうして…」
クリスが言ったその時、クリスのスカウターが反応した。
ラディッツの戦闘力がどんどん上がっていった。
クリスはスカウターが壊れては大変と、急いでスカウターの電源を切った。
ラディッツは涙を流しながら呟いた。
「セルはカカロットを殺した…！それだけじゃない…！不甲斐ないオレのせいで、オレが何もできなかったから、カカロットを見殺しにしてしまった…！許さんぞ、セル…！そして、オレ！！」
その時、ラディッツの周りに激しい突風が吹き荒れたかと思うと、ラディッツの長い髪が一瞬だけ金色に光った。
「ラディー、ま、まさか！！」
クリスは驚いた。

そして…。
「ちくしょう…！ちくしょおおおおおおおお！！！！！！！うわあぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！」
ラディッツは大きな雄叫びを上げた。
その瞬間、ものすごい衝撃波が響いた。
クリスは危うく吹き飛ばされそうになった。
しばらくして、ナッパ達が駆けつけた。
「何があったんだ！？」
ターレスが言った。
「さっきすごい衝撃波が来たぞ？何かあったのか？」
ナッパが言った。

やがて、砂煙が少しずつ晴れてきた。
だが、砂煙の中から現れたラディッツの姿に、みんなはびっくりした。
「ラ、ラディーが！」
「ス、超サイヤ人になった！！」
なんとラディッツが、超サイヤ人になったのだ。
セルに対する怒りと憎しみ、そして弟である悟空を守れなかった悔しさと悲しみから、超サイヤ人に覚醒したのだった。