Dear Saiyans 21話・孫悟空よ、永遠なれ…。

ついに、セルとの決戦が幕を開けた。
「お揃いでようこそ。最初の相手は、誰かな?」
セルは悟空達とラディッツ達を見て言った。
セルは、二人の人造人間と多くの生体エネルギーを吸収したことで完全体になり、以前よりもパワーアップしていた。
「セル!てめぇに殺されたみんなの仇をとってやる!覚悟しろ!」
バーダックはセルに向かって怒鳴った。
「おや、これはびっくりだな。孫悟空の父親・バーダックではないか。まさか生きていたとは…」
セルはバーダックを見て言った。
「父ちゃんの言うとおりだ!おめぇを絶対に許さねぇ!」
悟空も怒った。
そんな彼らを見て、セルはフッと笑みを浮かべていた。
「ほぅ、ここまでやる気があったとは感心だな。しかし、セルゲームは1対1で戦うのがルールだ。まずは代表選手を決めるがいい」
「1対1だと?いいだろう…」
「…わかった、ちょっと待っててくれよ?」
悟空達とラディッツ達は話し合った。
「オレが先に戦ってやろうじゃないか」
ラディッツは自信満々だ。ところが、悟空は反対した。
「ダメだ、ラディッツ。おめぇじゃセルに勝てねぇ…」
「なんだと!?」
怒るラディッツを、悟空はなだめながら言った。
「確かにおめぇは強くなった。あの時とは比べ物にならねぇぐらい強い…。けど…」
「…なんだ?」
「…これ以上戦ってると、おめぇの体がまいっちまうぞ」
悟空は分かっていた。
ドラゴンボールで生き返った自分とは違い、ラディッツは瀕死の重傷を負ったまま生き返ったことにより、後遺症を患っていることを。
悟空は、ラディッツをこれ以上傷つけたくはなかった。
昔はまだ4歳だった悟飯をさらい、地球を侵略しようとした悪人だったとはいえど、やはり兄弟は兄弟だ。それに今では、仲間と共に地球を守っている。このまま傷付けば、ラディッツの体が危ないし、クリスをはじめ、多くの仲間達が悲しんでしまう。
だから悟空は、兄・ラディッツを想い、セルゲームの出場を辞退させたのだ。
「あのカカロットが、ラディッツの身を案じるとは…。一体、どういうことだ?」
「…明らかに様子がおかしいな…」
ナッパとターレスは、悟空の様子がいつもと違うと察していた。
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