Dear Saiyans 20話・セルゲーム

セルゲーム開催まで6日に迫った頃、ラディッツは悟空達とトレーニングをしていた。
悟空は今までに多くの修羅場を乗り越えてきただけあって、ラディッツはおろか、ベジータすらをも超えていた。
「ぐぅ!カカロットめ、この兄を超えるとはな…」
ラディッツは笑いながら言った。
「あはは!けどラディッツも、前より強くなったじゃねぇか。これならおめぇも、超サイヤ人になれるかもしれねぇぞ?」
悟空も笑った。
「わぁ、見たいなぁ!超サイヤ人になったラディッツお兄ちゃん!」
「ラディッツさんがもっと強くなるんだ!すごいなぁ」
トレーニングを見に来たポールとミーモが言った。
「よし!オレもカカロットを超えてやる!」
「ベ、ベジータだけじゃなく、ラディッツまでライバルになるんか…」
悟空がドン引きすると、みんなは笑った。
「サ、サイヤ人って大変なんだね…」
ポールは笑いながら言った。
「そうだよ。サイヤ人はとってもやんちゃで、元気いっぱいな人たちだもん」
クリスが言った。
「ヤンチャって…、子供じゃないんだぞ!」
ラディッツは照れながら言った。
フリーザ軍だった頃は、周りから猿、または獣呼ばわりされていた為、クリスの『やんちゃで元気いっぱい』という言葉がとても嬉しかった。


夕方、トレーニングを終えたラディッツ達は、ノーマン一家と夕食を楽しんでいた。
「それにしても、大変なことになったね…。けど、ラディッツさん達とクリス君達が活躍したおかげで、多くの命が救えたよ」
ノーマンはラディッツ達とクリス達を褒めた。
「あなた達も、セルゲームって大会に出るみたいだけど、絶対に無理しないでね」
イブは心配そうに言った。
「大丈夫だ。オレはあのフリーザを倒したカカロットの兄で、一流の戦士だ。どんな相手だろうと、誰にも負けんぞ」
ラディッツは自信満々だ。
「ラディー、イブさんの言うとおりだよ。ラディーはケガの後遺症があるから、無理をしちゃダメだよ」
クリスも心配だった。
数年前、ピッコロの魔貫光殺砲を食らったラディッツは、悟空と違ってドラゴンボールで生き返ったのではなかった。
そのため、体に重傷が残り、クリスによって手術を受けたとはいえ、数年経った今でも後遺症が残っているのだ。
今は元気でも、悪天候の日や寒い日はもちろん、ちょっとの衝撃で痛み出すことが何度もある。
さらに背骨の辺りが少し脆くなっているため、大きな衝撃で骨折する危険もある。
クリスは、ラディッツに万が一のことがあっては大変だと、セルゲームの参加を反対していたが、ラディッツはサイヤ人ならではの闘争本能もあってか、聞かなかったのだ。
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