着いた先には、三人の若者が岩場に座っていた。
よく見ると、顔がそっくりな姉弟と、背の高い体格のいい大人しそうな男性だった。
しかし彼らからは、全く気を感じられなかった。
「この人達も人造人間なのかな？だけど、悪い人には見えないね」
クリスがそう呟くと、未来の悟飯がやって来た。
「クリス、急に飛び出したら危な…」
未来の悟飯は、三人の若者を見た途端、パッと立ち上がり睨み付けた。
「人造人間！？こんな所に！！」
未来の悟飯の顔は、これまでにないほど怖い顔をしていた。憎しみと怒りに満ちた恐ろしい表情だった。
「え、もしかして悟飯さんの世界を荒らした人造人間って…」
クリスは恐る恐る言うと、未来の悟飯は少し怖い声で言った。
「そうだ、あいつらだ！あいつらがピッコロさん達を殺し、オレ達の世界をめちゃくちゃにしたんだ！」
未来の悟飯は、人造人間達と戦おうと飛び出そうしたその時、ナッパとターレスが駆けつけ、未来の悟飯を取り押さえた。
「落ち着け！早まるな！やみくもに戦うのは危険だ！」
ナッパは未来の悟飯を羽交い締めして言った。
「そうだぞ！せっかく生き返ったというのに、またトランクスを泣かす気か！」
ターレスの言葉に、未来の悟飯はハッと我に返った。
あの時、たった一人で戦い、命を落としたことで、トランクスにかわいそうな思いをさせてしまった。
そして、奇跡的に生き返った時、トランクスが大泣きしながら抱きついてきたことを思い出した。
未来の悟飯は、ふぅと長いため息をつき、自分を落ち着かせた。
「すみません、危なく周りを見失うところでした…」
「いいってことよ。それに今のピッコロは半端なく強いんだぜ。だから大丈夫だ」
「今はオレ達にできる事をやらなくてはならないんだ。さぁ、まだまだ大勢の人達が待ってるぜ」
ナッパとターレスは、未来の悟飯とクリスに言った。
しかしクリスは動こうとしなかった。
「クリス？早く行かないと…」
ナッパが言うと、クリスは意外なことを言い出した。
「あの人造人間さん達を助けたい！」