人間や動物を避難させることはできたものの、人造人間達の救出作戦は失敗に終わってしまった。
しかも16号は、セルの衝撃波によって半壊してしまった。
「16号さん、ごめんなさい…。何の役にも立てなくて…」
クリスは泣きながら謝った。
「いや、君たちはよく頑張ってくれた。17号達は残念だったが、オレの大好きな自然と動物達を、助けてくれたからね」
16号は優しく微笑んで言った。
実は16号はこう見えて、自然と動物を愛する優しい心を持っているのだ。
「オレはこれから、カプセルコーポレーションというところで、修理をしてもらうことになってるんだ。君たちも無理はしないで、ゆっくり休んでくれ」
「うん、16号さんもね…」
クリスは涙を拭いて言った。

クリスは落ち込みながら家に戻った。
家にはラディッツ達がすでに戻っていた。
「ラディー、古傷は大丈夫？」
クリスが言った。
「あぁ、平気だ。セルが完全体になっちまったのは残念だったが、できる限りのことは尽くしたな…」
ラディッツは笑みを浮かべて言った。
一方で、ベルとジングルはおろおろしていた。
「どうしたの？二人とも？」
クリスは声をかけた。
「あ、クリス。実はトランクス君が…」
ふと見ると、トランクスは泣きながらブルブルと震えていた。
実はこのトランクスは、元々はさらにもうひとつの世界の青年のトランクスで、タイムマシンで現代に向かおうとした時に、セルに襲われ命を落としたことがあったのだ。
しかし彼もまた、謎の力で少年の頃の姿で生き返り、未来の悟飯と再会したのだという。
トランクスはセルの姿を見て、自分が殺された記憶がトラウマとなって思い出してしまったのだ。
「セ、セルだ…。あいつが、ぼくを…」
「大丈夫だよ、今悟飯さんが帰ってくるからね」
ベルは、泣きじゃくるトランクスを慰めた。