Dear Saiyans 18話・恐怖の人造人間

急いで家に着いたバーダック達は、早速悟空を医療施設に運び、悟空が青年のトランクスからもらっていた特効薬を悟空に飲ませた。
悟空の体を検査したところ、心臓がウイルスに感染し、非常に危険な状態だった。
さらに熱も出ていて、体が異常に熱かった。
そこへ、バーダックから連絡を受けたクリスと、クリスが呼んだ若い医師が駆けつけ、早速悟空の治療を始めた。
「カカロットさん、大丈夫!?しっかりして!」
クリスは悟空の手を握って、そっと声をかけた。
「かなり重症だね…。特効薬では間に合わないかもしれないな」
医師はそう言って、抗生物質の点滴を用意した。
「…い、いやだ…。やめて、くれ…」
悟空は首を振って苦しそうに言った。
実は悟空はこう見えて、注射が大嫌いだ。
いくら戦いで傷つき、痛い思いをしても、注射だけはどうしてもダメだった。
しかし、ウイルス性の心臓病の進行は意外に早く、特効薬だけでは間に合わない状態だ。
そこで、抗生物質を使ってウイルスを早く殺菌するしかなかったのだ。
「悟空さん、怖い気持ちは分かるけど、この点滴ならすぐ治るから頑張って」
医師は悟空に優しく言った。
「…で、でも…」
悟空は涙目で医師を見つめていた。
「頑張って、カカロットさん…」
クリスは悟空を安心させようと、目隠しとして悟空を抱きしめた。
すると、先ほどまで嫌がっていた悟空の顔が、安心した表情に変わった。
そして医師は、悟空の腕に点滴の注射をチクッと刺し、ガーゼとテープでしっかりと固定した。
「い、痛ぇ…!」
悟空は一瞬痛がっていたものの、暴れたりもせず、黙っていた。
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